餅は、もち米から作られています。
餅もご飯も、原料は同じ米ですが、餅はカロリーが高くて、食べると太りやすいというイメージがあるようです。
餅は好きだけど、太るのが嫌だから食べないようにしているという人もいるようですが、ご飯と同じ米の仲間の「餅」は、そんなにカロリーが高い食べ物なのでしょうか。
お餅とご飯のカロリー
ご飯1膳(約150g)のカロリーは250kcal程度ですが、切り餅1個(約50g)は約120kcal、丸餅1個(約35g)は約80kcalです。
切り餅なら2個、丸餅なら3個で、ご飯1膳とほぼ同じカロリーということになります。
単純に、同じグラム数のお餅とご飯を比べると、ご飯よりもお餅の方がカロリーが高くなります。
ただ、ほぼ同カロリーのご飯1膳と切り餅2個を比べた時、腹もちなどのことを考えると、お餅の方がダイエットに向いていると考える人もいるかもしれません。
お餅、ご飯の他、主食となる食材のカロリー数は次のようになっているので、参考にしてください。
主食の食材100gあたりのカロリー
ご飯:168kcal
お餅:240kcal
食パン:264kcal
うどん:348kcal(乾麺)、105kcal(ゆで麺)
そば:344kcal(乾麺)、132kcal(ゆで麺)
中華麺:281kcal(乾麺)、149kcal(ゆで麺)
スパゲティ:378kcal(乾麺)、149kcal(ゆで麺)
ちなみに、ご飯は1膳で約150g(252kcal)、コンビニのおにぎりのご飯が約120g(202kcal)、食パンは、6枚切りの1枚が約67g(177kcal)、8枚切りの1枚が約50g(132kcal)です。
お餅の食べ方によってカロリーが高くなる
餅は、そのまま何もつけずに食べることもありますが、あんこ、きなこ、砂糖醤油などをつけて食べることもよくあります。
あんこをつけると約50kcal、きなこは約20kcal、砂糖醤油なら約35kcal、バター醤油をつけると約100kcalも増加してしまいます。
餅を食べる際には、何らかの味付けをして食べることが多いので、カロリーが高くなって太るというイメージが強くなっているのかもしれません。
餅は好きだけれど、太るのが気になるという場合には、雑煮にして食べたり、シンプルに焼いておろし餅で食べたりすれば、カロリーが高くなるのを抑えることができます。
餅は、ご飯と比べて、そんなにカロリーが高くなるわけでもなく、腹持ちがいい分、余分な物を食べなくて済むかもしれません。
餅は、それ自体はそんなにカロリーが高い食材ではありませんが、食べ方によっては高カロリーになってしまいます。
低カロリーで美味しく食べることができる食べ方を工夫すれば、気軽に食べることができるようになります。
低カロリーで太らない餅の食べ方
大根おろし餅
焼いた餅におろした大根とネギをのせて、醤油をかけて食べる「大根おろし餅」。
大根おろしは、濃い味付けをしなくてもコクがあり、さっぱりしていて腸内環境を整える効果もあるといわれているので、食欲がないときなどにもおすすめの食べ方です。
大根おろしには、ほとんどカロリーがないので、カロリーが高くなることを心配する必要もありません。(大根おろし100g:18kcal)
お餅は食べたいけど、カロリーが気になるという人にも、おすすめの食べ方です。
餅巾着
少ない餅の量で満足感が得られる「餅巾着」。
油あげを半分に切って開き、切り餅、キャベツの千切り、きのこを入れて、つまようじなどで口を閉じ、出汁といっしょに鍋に入れて、餅がやわらかくなるまで煮れば出来上がりです。
お好みで、少量のスライスチーズを入れても、美味しくなります。(スライスチーズ10g:34kcal)
キャベツの代わりにもやしを入れると、歯ごたえがよくなって、違った食感が楽しめます。
食物繊維といっしょに食べる
餅を食物繊維といっしょに食べることで、脂肪の吸収が抑えられます。
野菜がたっぷり入った「雑煮」では、食物繊維が豊富になり、体温が上昇するので、エネルギーも消費しやすくなります。
前述の大根おろし餅も、食物繊維がとれます。
ミルラルといっしょに食べる
大判の海苔でも、カロリーはほとんどなく(1kcal程度)、ビタミンやミネラルは豊富に含まれています。
「磯辺焼き」は、ミネラルを豊富に含んでいる海苔を使った代表的な餅の食べ方です。
海苔には、食物繊維も豊富に含まれているので、糖質の吸収を緩やかにする働きもあります。
納豆といっしょに食べる
納豆の粘りと餅の粘りで、噛む回数が必然的に多くなります。
噛む回数が増えることで、脳が刺激されて満腹感が得られやすくなります。
納豆には、糖質をエネルギーに変える要素もあるので、カロリーが気になる人にもおすすめの食べ方です。
餅は消化がいい
お餅の原料はもち米です。
もち米には「アミロペクチン」いう消化の良いデンプン質の成分が含まれていて、とても消化がいいです。
お餅は、もともと消化のいいもち米を蒸して、もち米の形がなくなるまで十分につきあげられてできていますが、実際に食べるときには、再度煮たり焼いたりしてから食べます。
このような工程をたどったお餅の中のでんぷんは、噛んで柔らかくなった時のように、消化・吸収されやすい状態になっています。
このお餅を、大根おろしと一緒に食べると、大根に含まれる消化酵素(ジアスターゼ)が、もち米に含まれているデンプンを糖に変える助けをするので、さらに消化が良くなります。
「ジアスターゼ」は熱に弱いので、生で食べられる「大根おろし」はピッタリです。
ただ、デンプンが冷めると、βデンプンという消化の悪い状態になるので、冷めて固くなったお餅をそのまま食べると、腹痛を起こしてしまうこともあります。
餅を食べる際には、しっかりと加熱してから食べるようにしましょう。
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「餅を食べると太る」といわれますが、ご飯と比べて、極端に餅のカロリーが高いというわけではありません。
よく「正月に餅を食べて太ってしまった。」という人がいますが、これは、餅を食べたから太ったというわけではなく、正月にいろいろたくさんの料理を食べ過ぎたから太ってしまったというのが実際のところでしょう。
朝から飲み食いして夜更かしをしていれば、太ってしまっても仕方がありません。
お餅自体が、特に太りやすい食べ物であるというわけではありませんが、食べ過ぎてしまえば、どんなものを食べても太ってしまうというわけです。
太らないためは、「食べ過ぎない」ということが肝心なようです。