ダイエットをしていると、それまでは順調に減っていた体重が急に減らなくなったり、減るスピードが鈍くなることがあります。
ダイエットを初めた頃は、体内の水分が抜けていく時期で、比較的体重が落ちやすいですが、数週間もすると、これ以上脂肪を落として体重が減らないようにと、身体が基礎代謝を下げて体重が減るのを防ごうとするといわれます。
この時期は基礎代謝が下がっているので、食事の量を少なくしていても、なかかな体重が減らなくなります。
これが、ダイエット中の停滞期と呼ばれる時期です。
停滞期は、1~2週間程度で終わることが多いといわれますが、長い場合には1ヵ月以上続くような場合もあるようです。
停滞期は誰にもでも必ず訪れる時期で、1回だけではなく、数回訪れるといわれます。
ダイエット中の停滞期
人間の身体には、「ホメオスタシス」と呼ばれる現状を維持しようとする機能があるといわれます。
人間の体温は、36~37℃程度で一定に保たれています。
運動などをして体温が上がりそうになると汗をかいて体温を下げ、気温が低くて体温が下がりそうな時には、身体をブルブルと震わせて熱を発生させて体温を上げようとします。
ホメオスタシスの機能があることによって、ある程度外気温が変化しても体温を一定に保つことができるといわれます。
体温を維持する以外にも、血圧の維持、体液の浸透圧の維持など、様々なことを一定に保つことで人間の身体は維持されています。
このホメオスタシスの機能が「体重の維持」にも働いて、ダイエット中に停滞期をもたらすといわれています。
飢餓に備えるメカニズム
人間の身体に脂肪を蓄えるメカニズムがあるのは、人間が飢餓から生き延びるために不可欠の機能だったからだといわれています。
遠い昔は、いつ食料にありつけるかわからないというのが当たり前だったため、人間の身体は、もし食べられない状態が続いても大丈夫なように、食べたもののエネルギーを脂肪として蓄えておいたのだといいます。
「人間の歴史は飢餓との戦いの歴史」ともいわれるくらい、人間は何百万年もの間飢餓と戦ってきたといわれます。
ダイエットで食事を減らして体重が落ち始めると、身体は「飢餓が来た」と思い、効率的にエネルギーを蓄えようとしますが、これが「停滞期」の時期だといいます。
停滞期中は、少しの食事でも脂肪としてエネルギーを蓄えようとするので、体重が減りにくくなってしまいます。
ダイエット中の停滞期は、避けることができないといわれます。
必ずやって来る停滞期
ダイエット中に停滞期が来るということは、ダイエットが順調に進んでいると捉えることができます。
順調に痩せていくことができているので、体が「体重が減っている」と認識して効率的にエネルギーを蓄えようと反応したために、停滞期に入ったからです。
「停滞期 = ダイエットが順調に進んでいる」といえるので、これまでのダイエットを、そのまま継続していくのが良いといわれます。
停滞期も食事制限の変更はしない
停滞期になると体重が減らなくなるので、更に厳しい食事制限を考えるかもしれませんが、これはあまり良い方法ではないようです。
食事制限を厳しくすると、身体が「更に厳しい飢餓が来た」と感じてしまい、より強い飢餓反応となり、更にきつくて長い停滞期になってしまう可能性があるといいます。
身体に飢餓ではないと思わせるために、食事を増やせば良いと考えるかもしれませんが、そうするとリバウンドが起こって、せっかくのダイエットが無駄になってしまいます。
結局、ダイエット中の停滞期には、これまで通りのダイエットをそのまま続けていくのが一番良いといわれます。
停滞期を長引かせない
ダイエット中の停滞期は、早ければ1週間程度で過ぎいきますが、長い場合は1ヵ月以上続くこともあるといいます。
停滞期を短期間で済ますためには、「急激なダイエットをしない」ということが重要だといわれます。
ホメオスタシスの機能が強く働くようになるのは、1ヵ月で体重の5%以上の減量があった場合といわれています。
体重が60kgの人なら3kg以上、50kgの人なら2.5kg以上の減量をした時ということになります。
停滞期を短くして持続的にキレイに痩せていくためにも、「1ヵ月で体重の5%以内の減量」を目指すのが良さそうです。
生活の工夫で停滞期を乗り越える
停滞期は、生活にちょっとした工夫をすることで、乗り越えやすくなるといわれます。
停滞期は、基礎代謝が低下してエネルギーの消費が少ない状態になっているので、基礎代謝を上げてエネルギーをたくさん使うような工夫をすると良いようです。
筋力トレーニングなどをすることは、基礎代謝を上げることにつながることはもちろんですが、筋肉が落ちやすくなっている停滞期の筋力アップにもつながるといわれます。
ストレッチやラジオ体操などを積極的に行って身体を動かしたり、カロリーオーバーにならない程度にタンパク質の摂取量を増やすことも効果的といわれます。
停滞期は、さらに痩せていく次の期に向けて身体の状態を整えている準備期間なので、基礎代謝を高める努力をすることが、結果的にこの準備を助けることになり、停滞期間を短くすることにつながるともいわれます。
停滞期を乗り超えていくためには、身体面のほか、メンタル面のケアも大切です。
食事日記をつけて摂取カロリーを記録したり、万歩計をつけて毎日の歩いた歩数を記録したりして、体重が減っていかなくても、ダイエットを継続していることを成果として感じられるようにしておくことも、メンタル面から停滞期を乗り超えていくためには重要なことだといわれます。
体重が減らなくても、焦らず、無理せず、そのままダイエットを続けていくのが、停滞期を乗り切る一番の方法といえそうです。