「ビール」は、「麦芽」を主原料にして発酵させた「炭酸ガス」を含む飲み物で、古代バビロニア、エジプトの時代から造られていたとされています。
「一般的なビールの製法」は、おおむね次のとおりです。
・主に「大麦の麦芽」を乾燥させて砕く。
↓
・「米」や「水」を加えて糖化させる。
↓
・「ホップ」を加えて苦みと香りをつける。
↓
・「酵母」を添加して10日前後発酵させる。
↓
・タンクで3ヵ月程度貯蔵して熟成させる。
ラガービール
「ラガービール」は、貯蔵工程で低温熟成させた「下面発酵ビール」です。
「ラガー」には「貯蔵する」という意味合いがあります。
一般的に「ラガービール」というと、熟成が終わった後に「熱処理(パストリゼーション(低温殺菌))」をしたビールのことを指すことが多いですが、「熱処理をしない」ラガービールもあります。
「ラガービール」のアルコール度数は、「4.5%程度」です。
「ビールの表示に関する公正競争規約」では、「貯蔵工程で熟成させたビールでなければラガービールと表示してはならない」と定められています。
生ビール
「生ビール」は、加熱殺菌をしないで(熱処理をしないで)、「熟成したまま」のものを樽詰めにしたビールです。
発酵後の熟成されたビールに残っている生きた酵母を、「ろ過機」と「フィルター」を使って完全に除去したものが、「生ビール」です。
「生ビール」は、熱処理をしていないので、ビール本来の豊かな味わいを楽しむことができるとされます。
「樽からつぐ」ということから、「ドラフトビール」と呼ばれることもあります。
「瓶詰めの生ビール」は、「瞬間殺菌」や「無菌ろ過」をして瓶に詰めたビールです。
「ビールの表示に関する公正競争規約」では、「熱による処理(パストリゼーション)をしないビールでなければ、「生ビール」または「ドラフトビール」と表示してはならない」と定められています。
ドライビール
「ドライビール」は、新しい酵母や醸造法で造られたビールで、従来の「ラガービール」などと比べると「辛口」で、アルコール度数も「5%程度」と、若干高めに仕上げられています。
1989年(平成元年)に、初めて「アサヒビール」が「ドライビール」を発売しましたが、これが大人気となり、他のビール会社も競って「ドライビール」を販売するようになり、「ドライ戦争」と呼ばれるし烈な競争が繰り広げられました。
「下面発酵」と「上面発酵」
「ビール」は、製造方法によって色や味が異なりますが、通常の「ラガービール」は、発酵後に酵母が下に沈む低温による「下面発酵」で、色は淡くてアルコール分が低いおだやかな味わいが特徴とされます。
一方、酵母が浮き上がる高温による「上面発酵」の場合には、濃い「黒色のビール」となりますが、高濃度でアルコール分も高く、独特の風味になるとされます。
イギリスの「スタウト」などが、この「上面発酵」のビールとして有名です。
ちなみに、日本の「黒ビール」は「低温発酵」によるもので、イギリスの「スタウト」とは区別されています。