痩せるために重要なのは運動? それとも食事?

「太る」か「痩せる」かは、「消費カロリー」と「摂取カロリー」のバランスで決まるといわれます。

「消費カロリー」と「摂取カロリー」を比べて、「消費カロリー」の方が多ければ痩せていき、「摂取カロリー」の方が多ければ太っていきます。

痩せるためには、「消費カロリーを増やす」「摂取カロリーを減らす」「消費カロリーを増やしつつ、摂取カロリーを減らす(並行して行う)」などの対処が必要になりそうです。

「運動で消費するカロリーは意外に少い」「食べ物から摂取するカロリーは意外に多い」ともいわれます。

運動の消費カロリー

運動で消費できるカロリーのおおよその目安は、次のとおりといわれます。

・ゆっくり歩く: 約75kcal/30分
・速足で歩く: 約125kcal/30分
・ジョギング: 約150kcal/30分
・階段の昇降: 約195kcal/30分
・平泳ぎ: 約350kcal/30分
・自転車: 約50kcal/30分

ダイエットのために「筋トレ」を取り入れることもありますが、「筋トレ」はそんなに多くのカロリーを消費しないといわれます。

強く力を入れますが、それは瞬間的なことが多く、持続的に力を入れ続ける運動ではないというのがその理由のようです。

身体を起こす「腹筋トレーニング」の場合、トレーニングの形態にもよりますが、体重60kgの人が30分間の腹筋を行った時の消費カロリーは75kcal程度ともいわれます。

ゆっくり歩くのと変わらない消費カロリーです。

筋トレは、身体を鍛えて基礎代謝を上げるためには有効な運動ですが、消費カロリーを上げるという点では効率が良くないといえそうです。

食事からの摂取カロリー

食べ物から摂取するカロリーは、おおよそ次のとおりといわれます。

・おにぎり: 約150kcal/1個
・シュークリーム: 約160kcal/1個
・ショートケーキ: 約320kcal/1個
・ラーメン: 約450kcal/1杯
・スポーツドリンク: 約135kcal/500ml
・ビール: 約200kcal/中ジョッキ

「ジョギングを30分してお腹が空いたから、おにぎりを1個食べた。」
「自転車に30分乗って喉が渇いたから、コップ1杯のスポーツドリンクを飲んだ。」

これらを「消費エネルギー」と「摂取エネルギー」でみてみると、+-0で相殺されてしまっています。

夕食がカツカレー(約1,000kcal)で、その分のカロリーを運動で消費しよう思えば、3時間以上ジョギングをする必要がありそうです。

運動することで消費エネルギーを増やすということは、痩せるためには大切なことですが、運動では思ったようにカロリーを消費することができないので、運動だけで痩せることは難しいのかもしれません。

ダイエットでの運動の効果

ダイエットにおいての運動は、大きく分けて「消費カロリーを多くする」「基礎代謝を上げる」の二つの効果が期待できるとわれます。

「消費カロリーを増やす」には「ウォーキング」や「ジョギング」のような「有酸素運動」、「基礎代謝を上げる」には「腹筋」「背筋」「腕立て伏せ」「スクワット」などの「無酸素運動」が、大きな効果が期待できるといわれます。

基礎代謝

「基礎代謝」とは、人が生きていくために必要になる最低限の身体活動に使われるエネルギーとされます。

一日中何もせずに寝ていても、生きるために必要な最小限のエネルギーは使われています。

生命を維持するためのエネルギー消費が基礎代謝といえます。

エネルギーの消費というと、運動で消費するというイメージがありますが、運動で消費されるエネルギー量は全体の2割程度に過ぎないといわれています。

それに対して基礎代謝は、全体の約6割を占めるとされます。

基礎代謝が多いか少ないかということが、ダイエットに大きな影響を与えているといわれます。

平均的な基礎代謝は、成人男性で1,700kcal程度、成人女性で1,200kcal程度ともいわれます。

運動などによって基礎代謝が多少高くなったとしても、基礎代謝が3,000kcalを超えるというようなことはまずありませんが、摂取カロリーに関しては、食べ物の内容や量によって、2,000kcalでも3,000kcalでも、多ければ4,000kcalでも、比較的簡単に多くすることができます。

消費カロリーを増やすことはそんなに簡単なことではありませんが、摂取カロリーを増やしたり減らしたりするのは比較的簡単にできるといえそうです。

ダイエットの際には、運動で消費カロリーを増やすだけではなく、食事での摂取カロリーを減らすことが重要になりますが、「摂取カロリーを減らす」ことは絶対条件といっても良いのかもしれません。

「運動」よりも「食事」の管理を重視

痩せるためには、「消費カロリーを増やす」か「摂取カロリーを減らす」必要があります。

「消費カロリーを増やす」のは運動、「摂取カロリーを減らす」のは食事ということになりますが、運動をして消費カロリーを増やすのは意外に大変だといわれます。

30分間のジョギングで消費されるカロリーは150kcal程度、頑張って30分間平泳ぎをしても350kcal程度しか消費されません。

食事を控えて摂取カロリーを抑えようと思えば、おにぎりを1個我慢すれば約150kcal、ラーメンを1杯我慢すれば約450kcalのカロリーを抑えることができるといわれます。

カロリーに注目して考えると、30分間ジョギングをしてもおにぎりを1個食べたら帳消し、30分間平泳ぎをした後でラーメンを1杯食べたら摂取カロリーの方が多くなってしまいます。

カロリーの管理は、運動よりも食事をメインにして管理した方が、管理がしやすいといえそうです。

ダイエット中の運動

ダイエット中は「有酸素運動」と「無酸素運動」の両方の運動を、あわせて行うのが良いといわれます。

有酸素運動

有酸素運動は、負荷が軽くてゆっくりとした持続性のある運動です。

体内に酸素を多く取り入れ脂肪を分解してエネルギーとして使う運動なので、ダイエットをより効率的に進めていくことができるといわれます。

代表的な有酸素運動が「ウォーキング」です。

マイカー通勤を電車通勤に変えて駅まで「歩く」、買い物をするためスーパーまで「歩く」、天気の良い日は近所を「歩いて」散策するなど、気軽にできるウォーキング。

歩幅を広くしたウォーキングやスローペースのジョギングなどは、さらに効果的だといわれます。

無酸素運動

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動では、脂肪を分解する効果は期待できますが、筋力をアップさせる効果はあまり期待できないといわれます。

ダイエット中の筋力低下を防ぐために、無酸素運動も同時に行うようにすると良いといわれます。

無酸素運動の代表的なものが「レジスタンス運動(筋トレ)」。

レジスタンス運動というと、ジムに通ってマシンを使ってする運動というイメージがあるかもしれませんが、ダンベルを使った運動や、スクワット、腕立て伏せ、懸垂なども、立派なレジスタンス運動です。

筋肉を落とさずに美しく痩せるためにも、レジスタンス運動を取り入れると良さそうです。

まとめ

「太る」か「痩せる」かは、「消費カロリー」と「摂取カロリー」のバランス次第です。

痩せるためには、「消費カロリー > 摂取カロリー」となるようにしないといけませんが、ダイエットの基本は、運動で消費カロリーを増やすことより、食事を制限して摂取カロリーを抑えることに重点を置いた方が良さそうです。

体重を減らすということに関しては、食事制限をメインにして、運動は補助的なものと考えておくのが良いかもしれません。