「汗をかくと痩せる」というのは本当?

汗をふく人

「汗をかくと痩せる」といわれることがありますが、これは、たくさん汗をかけばそれだけ消費カロリーも多くなると思われているからだと考えられますが、実際のところはどうなのでしょう。

汗をかけば体重は減る

ボクシングの選手や競馬の騎手など、体重制限があるスポーツでは、食事制限に加えてサウナなどで汗をかくことで、体重を減らすこともあります。

途中で水風呂に入ったりしながら、長時間サウナに入り、4~5時間入っていることもあるといいます。

汗をかくことで減る体重は、個人差もあるようですが、2kg程度だといわれています。

数日間、断食などの食事制限をして「もうこれ以上は減量できない」という状態になっても、汗をかくことでさらに2kg程度減量ができるというわけです。

体重が減る ≠ 痩せる

汗をかけば体重が減るのは確かですが、これは「痩せたために体重が減った」というわけではないようです。

単に、汗として体外に出ていった水分の量の体重が減っただけで、汗をかいて減った体重は、その分の水分が補給されれば、元に戻ってしまうといいます。

ボクサーや騎手は、基本的には食事制限で体重管理をしています。

大量の汗をかいて体重を減らすのは、計量オーバーで試合に出られなくなることを回避するための緊急の最終手段ということのようです。

「汗をかいて体重が減る」のと「痩せて体重が減る」のとは、全く意味が違うといえそうです。

体温が上がり過ぎると、体を冷やすために汗腺から水分が排出されますが、これが「発汗」です。

汗をかくことで体温を下げているというわけです。

汗腺の数は、平均で200万から400万くらいあるといわれていて、男性よりも女性に多く、汗をよくかく人は汗腺の数が多いといわれています。

体の水分量は、女性よりも男性の方が多く、汗腺は男性の方が活発に働くといわれていて、同じ温度の場所にいる場合には、女性よりも男性の方が汗をかきやすいといわれます。

汗をかく量は、

・天気(温度、湿度)
・運動の強度
・飲酒や喫煙の度合い
・体重(体脂肪率)

などによって左右されるといわれています。

太っている人の方が汗をかきやすい

痩せている人よりも太っている人の方が、汗をよくかくのだといいます。

体についている脂肪が保温の働きをするので、太っている人の方が痩せている人よりも体温が高めになるため、汗をかきやすくなるといわれます。

汗は、体温を下げる際に出てくるので、スポーツなどでカロリーを消費して体温が高くなった時だけでなく、室温が高くなった時など、カロリーを消費しない時にも出てくるといいます。

汗をかいている時には、必ず多くのカロリーを消費しているというわけではないようです。

汗をかくと体重が減るのは確かですが、それは水分が体外へ出ていったからで、汗腺から脂肪が出ていくということではありません。

・汗をかく = 体温を下げる
・汗をかく ≠ 痩せる

痩せるためには脂肪を減らす

痩せるためには、脂肪を減らす必要があるといいます。

体内の脂肪を減らすことが、本当に「痩せる」ことにつながります。

「汗をかく人は代謝が良いから、痩せやすい体質だ」といわれることがありますが、汗をかいても水分が体外に排出されるだけなので、脂肪が減少するというわけではなさそうです。

「汗をかきやすい」ということと「代謝の良し悪し」とは別次元のことのようです。

脂肪を減らす

体重を減らすためには「有酸素運動」が効果的だといわれますが、これは、汗をかくからというわけではなく、エネルギーを使うからだといいます。

体重の減少の度合いは、運動の強度に関係しているといわれます。

毎日20分のジョギングを続けるより、40分のジョギングを続ける方が痩せやすくなりますが、これはたくさん汗をかくからというわけではなく、より多くのエネルギーを使うからです。

ジョギングの際にも汗をかきますが、この時の汗は体温をコントロールして一定に保つという役割はありますが、脂肪を減らすという役割はないといいます。

脂肪を効果的に減らすとされている有酸素運動には、次のようなものがあります。

・ウォーキング
・ジョギング
・エアロビクス
・自転車
・水泳
・ダンス
・ボクシング

これらの運動をすることで、体に蓄積されている脂肪が減少し痩せやすくなるといわれます。

「痩せる」ということに関して、基本的に「汗の量」は関係ないといえそうです。

痩せるために重要なのは、有酸素運動などによって、どれだけ脂肪の量を減らすことができるかということのようです。