「いとこ」の漢字の使い分け(従兄弟姉妹)/年齢と性別で区別する

いとこ

「いとこ」とは、自分の父親または母親の兄弟姉妹の子供のことですが、漢字で書くと「従兄弟」「従姉妹」などを始めとして、様々な表記の仕方があり、一般的に使われている漢字表記だけでも、11種類もあります。
 
これだけ「いとこ」の漢字表記の種類が多いと、漢字で書こうとして悩んでしまうのも仕方ないことかもしれません。
 
「いとこ」の漢字は、どのように使い分けをすればいいのでしょうか。

「いとこ」の漢字

「いとこ」を漢字で書く時にポイントになるのが、いとこの「年齢」「性別」です。
 
そのいとこが「年上」なのか「年下」なのか、「男性」なのか「女性」なのか、によって使う漢字が区分されます。

漢字二文字の「いとこ」表記

「いとこ」を漢字二文字で書く場合には、いとこの年齢と性別によって、次のような漢字表記になります。
 
・いとこが自分より「年上の男性」の場合:「従兄」
・いとこが自分より「年下の男性」の場合:「従弟」
・いとこが自分より「年上の女性」の場合:「従姉」
・いとこが自分より「年下の女性」の場合:「従妹」
 
例えば、自分が25歳で、いとこが28歳の男性の場合は、「従兄」となります。

いとこが同じ年齢の場合

いとこが、自分と同じ年齢の場合は、誕生日が早い方が「兄」「姉」となります。
 
例えば、自分が1993年6月生まれで、いとこの女性が1993年7月生まれの場合は、同い年ですが、誕生日が遅いいとこが妹ということになるので、「従妹」となります。

いとこの配偶者

いとこの配偶者は、どう書けばよいのでしょうか。
 
例えば、自分が25歳で、いとこの28歳の男性が、24歳の女性と結婚したとします。
 
28歳のいとこの男性は「従兄」ですが、その配偶者の女性にはどの漢字を使うのでしょう。
 
自分より年下だから「従妹」でしょうか、それとも、従兄の配偶者だから「従姉」でしょうか。
 
この場合は、血族との関係を重視して、従兄の配偶者だから「(義理の)従姉」と書くのが良いとされています。
 
例えば、兄弟の兄が、弟よりも年下の女性と結婚した場合、この女性は、弟からみると「義理の姉」ということになりますが、「いとこ」でも同じ考え方をするというわけです。

漢字三文字の「いとこ」表記

漢字三文字で複数のいとこの関係を表すような表記をすることもあります。
 
男性同士のいとこの場合:「従兄弟」
女性同士のいとこの場合:「従姉妹」
年上の男性と年下の女性のいとこの場合:「従兄妹」
年上の女性と年下の男性のいとこの場合:「従姉弟」
年上の男女のいとこの場合:「従兄姉」
年下の男女のいとこの場合:「従弟妹」

漢字五文字の「いとこ」表記

全ての「いとこ」の総称として、漢字五文字で「従兄弟姉妹」と書くこともあります。
 
年齢や性別を意識しない場合に使われますが、親戚全員が一堂に会する際の座席表などには、全てのいとこに失礼にあたらないよう「従兄弟姉妹」という表記が使われることがあります。
 
また、一般的な「いとこの概念」などを解説する場合などにも「従兄弟姉妹」が使われます。

その他の漢字の「いとこ」表記

一般的な「いとこ」の漢字表記は、上記の11種類ですが、それ以外の漢字表記もあります。
 
現在の日本では、ほとんど使われることはありませんが、中国では今でも意味の通じる表記だといわれています。
 
参考までに紹介しておきます。
 
・父方の自分よりも年上の男性:「堂兄」
・父方の自分よりも年下の男性:「堂弟」
・父方の自分よりも年上の女性:「堂姉」
・父方の自分よりも年下の女性:「堂妹」
・父方の男性同士:「堂兄弟」
・父方の女性同士:「堂姉妹」
・父方の男女同士:「堂兄妹」
・母方の自分よりも年上の男性:「表兄」
・母方の自分よりも年下の男性:「表弟」
・母方の自分よりも年上の女性:「表姉」
・母方の自分よりも年下の女性:「表妹」
・母方の男性同士:「表兄弟」
・母方の女性同士:「表姉妹」
・母方の男女同士:「表兄妹」

まとめ

「いとこ」の漢字表記は、11種類もあるので、とてもややこしい感じがしますが、「年齢と性別に注目して「従」の後に「兄弟姉妹」のいずれかの漢字を書く」と覚えておけば、そんなに難しくはありません。
 
「兄弟姉妹」のいずれになるかは、自分といとことの年齢の関係で決まります。
 
時折、おじさんが父親より年上(父親のお兄さん)の場合、その子供のいとこも「従兄、従姉」になると勘違いしている人がいますが、年齢はあくまでもいとこ同士の比較になります。
 
おじさんが父親より年上(父親のお兄さん)でも、いとこが自分よりも年下なら「従弟、従妹」となるので、間違えないようにしましょう。