「アイスコーヒー」は、日本人にとっては、「ホットコーヒー」と並ぶポピューラーな飲み物です。
夏に、喫茶店で「アイス」と注文すれば、たいてい「アイスコーヒー」がでてきます。
定番メニューともいえる「アイスコーヒー」ですが、歴史をさかのぼってみると、大正時代に、日本人がコーヒーを冷やして飲み始めたのが、アイスコーヒーの始まりだという説があります。
当時は、「冷やしコーヒー」と呼ばれていたといいます。
欧米ではコーヒーは「温かい」のが定番
欧米では、「コーヒーは温かい」というのが定番で、コーヒーを冷やすという発想はなかったといわれます。
これは、コーヒーに限らず、火を通さない飲み物は、衛生面に問題があると考えられていたからのようです。
一方、日本では、食べ物や飲み物を「冷やす」という文化は、ごく一般的でした。
果物や野菜などを、川で冷やして食べるのは当たり前で、井戸水も、火を通さずにそのまま飲んでいました。
「アイスコーヒー(冷やしコーヒー)」の誕生には、日本の「冷やす文化」が大きく影響していたといえそうです。
ちなみに、関西では、「アイスコーヒー」のことを「冷コー(れいコー)」と呼んだりします。
欧米に広まったのは1980年代以降
「コーヒーはホットが基本」という欧米で、アイスコーヒーがよく飲まれるようになったのは、1980年代以降のことといわれます。
大手コーヒーチェーンが、アイスコーヒーをメニューに組み入れたことにより、広まっていったとされています。
日本独自の「コーヒーを冷やす」という文化が生み出した「アイスコーヒー」が、世界に認められたといえるのかもしれません。
今や、世界スタンダードともいえるアイスコーヒーの発祥が、日本だった(あくまで説ですが)というのは、意外でした。