大きい蜘蛛が家の中に出たら退治する?しない?

大きい蜘蛛(アシダカグモ)

家の中で、これまでに見たこともないような大きな蜘蛛に出くわすことがあります。
 
そんなに頻繁に見かけることはないので、遭遇した時には、本当に驚いてしまいます。
 
大きい蜘蛛は、見た目にもグロテスクで怖さを感じ、ひょっとすると、何かの毒をもっているかもしれないと心配になったりもしてしまいます。
 
「大きい蜘蛛は退治しない方がいい」といわれたりもしますが、そうはいっても、早く目の前からいなくなってほしいというのが正直なところです。
 
家の中で大きい蜘蛛に出くわした時には、どう対処すればいいのでしょうか。

大きい蜘蛛の正体

「大きい蜘蛛」というと、毒蜘蛛で有名な「タランチュラ」を想像してしまうかもしれませんが、タランチュラは、日本の自然環境の下には生息していないといわれているので、そんなに心配する必要はなさそうです。
 
日本で見られる大きい蜘蛛が、毒蜘蛛である可能性がないわけではありませんが、家の中でよく見かける大きい蜘蛛は「アシダカグモ」であることが多いといわれています。
 
アシダカグモは、文字どおり足が長くて、大きいものになると、大人の手のひらくらいの大きさのものもいますが、アシダカグモには、セアカゴケグモのような毒性はないといわれています。

アシダカグモ

アシダカグモは、日本で確認される蜘蛛の中でも最大級の大きさといわれていて、本州・四国・九州などの家屋で見られることが多いといわれています。
 
体の色は灰褐色で、少しまだら模様があります。
 
アシダカグモは、インド原産の外来種の蜘蛛といわれていて、日本では、江戸時代の頃からその存在が確認されているといわれています。
 
アシダカグモの寿命は、「雄が3~5年程度」「雌が5~7年程度」で、雌は年に2回卵を産みますが、孵化した子蜘蛛は、お尻から糸を出して風に乗って飛び散っていきます。
 
アシダカグモの大きさは、体の本体は、「雄で1~2.5cm程度」「雌が2~3cm程度」ですが、「足を広げると10~13cm程度」とかなりの大きさになります。
 
13cmといえば、CDに匹敵する大きさなので、かなりの大きさといえます。

アシダカグモの習性

アシダカグモは、夜行性で薄暗い場所を好み、日中は、天井裏や家具の隙間、雨戸の戸袋などに隠れていることが多いといわれています。
 
都市部で見かけることは少ないですが、田舎では見かけることも多いです。
 
家以外では、公園のトイレなどで見かけることもあるようです。
 
アシダカグモは、他の蜘蛛と違って巣を張ることはなく、臆病な性格ですばしっこく動くため、捕らえにくいという特徴があるといわれています。
 
人の気配を感じると逃げていくので、人に向かってくることはほとんどありませんが、見た目がグロテスクで移動するスピードが速いため、どうしても怖く感じてしまいます。

アシダカグモは益虫

アシダカグモは、見た目の大きさから、人に害を与えると思われがちですが、アシダカグモには「毒性はなく」、「臆病」で「攻撃性は低い」蜘蛛とされています。
 
警戒心が強いので、人の気配や音などに敏感に反応して逃げてしまうことが多いようです。
 
アシダカグモは、その見た目から害虫と思われてしまうことも多いですが、実際のところは、ゴキブリやハエなどの害虫を捕食してくれるので、人間にとっては害虫どころか「益虫」といえます。
 
家の中にアシダカグモが2~3匹いれば、数ヶ月も経てば、家中のゴキブリがいなくなるともいわれるくらい、人にとっては有難い優秀な益虫です。
 
さらには、家の中に餌となるゴキブリがいなくなると、その家からは出ていってしまうともいわれています。
 
ゴキブリを退治して人知れずその家から去っていく、隠れた「正義の味方」のような蜘蛛が、アシダカグモです。
 
他の蜘蛛のように巣を張ることもないので、家の中が蜘蛛の巣だらけになってしまうというようなこともないとされています。
 
少し怖く感じるかもしれませんが、益虫であるアシダカグモは、敢えて退治する必要はないようです。
 
放っておいても、餌がなくなれば(ゴキブリがいなくなれば)、自然に家から出ていってくれるからです。

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アシダカグモの退治

アシダカグモは、何もしなければ、人に害を及ぼすようなことはまずありませんが、見た目がグロテスクで怖く感じるので、遭遇したら、早く退治したいと思ってしまうのも仕方がないことかもしれません。
 
臆病で逃げ足が速いアシダカグモですが、無理に退治しようとすると、攻撃されていると思って噛みつかれてしまう恐れもあるのだといいます。
 
噛まれても毒性はありませんが、当然のことながら痛みは感じます。
 
素手で退治するのは避けた方が無難なようです。
 
アシダカグモは、人に害を及ぼすわけではなく、餌になるゴキブリなどがいなくなれば、自然に家から出ていくといわれているので、そのまま放っておいても、特に問題ないようにも思われますが、どうしても退治したいという場合は、スプレー式の殺虫剤を使用して駆除するのが一番簡単です。

殺虫剤

一般的なハエや蚊用の殺虫剤では、効き目が今一つなので、蜘蛛専用の殺虫剤やゴキブリ用の殺虫剤など、効き目の強いものを使うようにするといいです。
 
殺虫剤をかけて、蜘蛛の足が折りたたまれて小さくなったら駆除完了です。

虫網

殺虫剤は使いたくないという場合には、昆虫採集に使う虫網を使って捕獲して退治することもできます。
 
移動スピードが速いので難しいかもしれませんが、遠くから一気に蜘蛛めがけて虫網をかぶせ、蜘蛛が網先へ移動していったら、網を反転させれば、蜘蛛は網の外に出られなくなります。
 
その状態で、家の外まで持って行って、適当な場所で逃がしてあげるといいかもしれません。

掃除機

掃除機で吸いとって蜘蛛を退治するという方法もあります。
 
掃除機のノズルを外して筒だけの状態にし、三角コーナーやキッチンの排水口に使用するゴミ取りネットを筒の先につけて固定させます。
 
蜘蛛を吸ったら、掃除機の電源を入れたままビニール袋を筒口に被せてから電源を切り、ネットごと外してしまえば完了です。
 
掃除機の音に反応して蜘蛛が逃げてしまう可能性もありますが、うまくいけば蜘蛛を殺さずに退治することができます。

大きい蜘蛛が入ってくる場所

家の中にいる大きい蜘蛛の代表格・アシダカグモは、餌となるゴキブリやハエを求めて家の中に入ってきます。
 
玄関ドアや窓などからも入ってきますが、「通気口」や「換気扇」などからも入ってくるといわれます。
 
アシダカグモの侵入を防ぐには、これらの場所にネットなどのフィルターを取り付けたり、家の周りに害虫用の薬をまいたりするのも効果がありそうです。

まとめ

家の中で大きい蜘蛛に出くわすと、驚いて早く退治したくなってしまうかもしれませんが、その大きい蜘蛛が「アシダカグモ」なら、人に危害を加えるようなことはなさそうです。
 
アシダカグモは、人には危害を加えることなく、ゴキブリやハエなどを退治してくれる「益虫」といえるので、敢えて退治する必要はないのかもしれません。
 
アシダカグモは、餌となるゴキブリなどを求めて家に侵入してくることが多いといわれているので、家の中で大きい蜘蛛を見たくなければ、まずは「ゴキブリ退治」。
 
大きい蜘蛛の餌になるものが家の中にないことが、大きい蜘蛛を家に侵入させない最大の予防策になりそうです。