東京ドームが「広さ」や「大きさ」の基準に例えられる理由は?

土地の「広さ」や「大きさ」を強調する時、「東京ドーム〇個分」というように、例えられることがよくあります。

しかし、多くの人は、実際に東京ドームには、行ったことがなく、行ったことがある人でも、その大きさを、正確に知っている人は、そんなに多くは、ないはずです。

実際、「東京ドーム5個分の広さ」といわれると、「かなり広い」ということは、分かりますが、「どれくらい広いか」は、もう一つ、ピンときません。

なのに、どうして、東京ドームが、「広さ」や「大きさ」の基準に例えられるのでしょう。

東京ドーム

東京ドームの「建築面積」は「4万6755平方メートル」、「容積」は「124万立方メートル」。

1988年(昭和63年)のオープンですが、その年の「酒の年間消費量」を発表する際に、国税庁が、東京ドームを引き合いにしています。

東京ドームを、基準に例えるのは、東京ドームが「全国的に有名」「スケールが大きい印象を与える」などの理由からだといわれています。

また、日本では、「野球」が人気の高いスポーツで、「球場」といえば、一般的に認識されやすいというのも、例えられる理由の一つになっているともいわれます。

「丸ビル」「霞が関ビル」

東京ドームができる以前は「霞が関ビル」、そのまた以前は「丸ビル」が、基準に例えられていました。

「丸ビル」→「霞が関ビル」→「東京ドーム」と変わってきましたが、それぞれの容積は、

・丸ビル:26万立方メートル
・霞が関ビル:52万立方メートル
・東京ドーム:124万立方メートル

というように、時代が進むごとに、ほぼ倍に増えていっています。

「広さ」や「大きさ」の規模の例えとなるのは、それぞれの時代の「顔」ともいえる、大きな建造物だといえそうです。

ちなみに、大阪では「甲子園球場」や「大阪丸ビル」、北海道では「札幌ドーム」が、「例え」にされることもよくあります。

東京ドームに限らず、それぞれの地域の人に親しまれている「地域の顔」となっている、よく知られた建造物が、「広さ」や「大きさ」の規模の例えに使われることは、そんなに珍しいことではないようです。

まとめ

広い場所を、感覚的に分かりやすく説明するのは難しいです。

「広い」ということが、世間によく知られている「東京ドーム」を引き合いに出し、「東京ドーム〇個分」とすることで、「広い」というイメージが、よく伝わります。

「10万平方メートル」と言われても、その広さはイメージできませんが、「東京ドーム約2個分」と言われれば、「かなり広い」ということは、イメージできます。

東京ドームを例えにするのは、直感的に「広い」とイメージしやすいということが、大きな要因となっているといえそうです。