「男」「女」や「オス」「メス」を表すマークの「♂」「♀」。
ペットショップなどで、「チワワ♂」などと書かれているのを見かけたりもしますが、この「男」と「女」を表す「♂」と「♀」のマークの由来とは、どのようなものなのでしょう。
「男女の性器を、記号にしたもの」といわれることもありますが、これは俗説のようです。
「西洋占星術」に由来
「♂」「♀」のマークは、西洋占星術に由来しているといわれています。
天文学の影響を受けた「西洋占星術」では、「♂」は「火星」、「♀」は「金星」を表す「記号」として使われていたといわれます。
「♂」は、ギリシャ神話の戦いの神「マルス」を表し、「♀」は、美の神「ビーナス」を表しているとされています。
マルスは、手に武器と盾を持っていて、「矢印の部分」が「矢」、「○の部分」が「盾」。
ビーナスは、手に鏡を持っているので、これを記号化したといいます。
また、価値の低い金属から貴金属を生み出す「錬金術」の分野では、「♂」は「鉄」、「♀」は「銅」を表す記号として使われていたといいます。
植物の「雌雄の区別」が最初
現在のように「男」と「女」の意味で初めて使ったのは、18世紀のスウェーデンの植物学者だといわれています。
植物の「雄」と「雌」を分けるときに、「♂」と「♀」の記号を使ったといわれます。
「♂」は「マスキュラ」、「♀」は「フェミニン」と呼ばれ、日本語では「オス記号」「メス記号」と呼ばれています。
パソコンで変換する際には、「おす」「めす」と入力すれば変換できます。
ちなみに、雌雄同体を表す記号として、水星の「☿」が使われていたこともあったといわれますが、今ではほとんど使われていないようです。