「年配者」よりも「若者」、「男性」よりも「女性」の方が、「味」や「匂い」に敏感だといわれます。
新商品の食品を開発した時に、若い女性にモニターになってもらって、意見を聞くのも、このことが関係しているといわれています。
世界の三大珍味の一つ「トリュフ」の匂いに敏感なのも「女」だといわれます。
「女」といっても、人間の女性ではなく「メスの豚」ですが。
オス豚のフェロモンの匂い
フランスでは、土の中に埋まっている「トリュフ」を探すのに、「メス豚」が使われてきたといわれています。
メス豚は、地面を嗅ぎまわりながら、見事にトリュフを発見するのだといいます。
しかし、これは、メス豚が、特別に匂いに敏感だからというわけではありませんでした。
トリュフの匂いは、発情期のオス豚が発する「ジャコウ(ムスク)」のような匂いによく似ているため、メス豚は、その匂いを嗅ぎ分けることができるのだといわれます。
メス豚は「オス豚の匂い」を探している
トリュフには、オス豚が発する「フェロモン」と同じ物質が含まれているので、メス豚は、「トリュフの匂い」を探しているのではなく、「オス豚の匂い」を探しているというわけです。
しかし、せっかくオス豚を見つけたと思っても、そこから出てくるのは「オス豚」ではなく「トリュフ」。
しかも、そのトリュフも自分のものになるわけではないので、何回もトリュフ探しに使われたメス豚は、かなりのストレスがたまっていたかもしれません。
人間がトリュフを好むのも、性的な理由があるといわれています。
しかし、メス豚は、せっかく見つけたトリュフを食べてしまうこともあるので、現在のフランスでは、トリュフ探しには、訓練を受けた「犬」が活躍しているといいます。
ちなみに、トリュフは、マツタケと同じ「菌根性のきのこ」ですが、マツタケのように、栽培が難しくはないので、フランスやイタリアなどでは、菌が感染した苗木を植栽することで、人工栽培が行われているようです。