ビール瓶の「栓」には、金属製の「王冠」と呼ばれるものが使われています。
ビール瓶の王冠
昔は、ビール瓶の栓には、「ゴム製」や「コルク製」のものが使われていたようですが、これらは、「何度も使える」という「メリット」はあったものの、人の手で栓を取り付けるという作業をしていたので、「手間がかかる」という「デメリット」もあったといわれます。
そこで、機械で取り付けができる栓として開発されたのが、「金属製の王冠」です。
この王冠の発明者は、アメリカのクラウンコルク&シール社の創始者・ウィリアム・ペインターという人で、1892年に、特許を取得しています。
このビール瓶の王冠の「ギザギザの数」は、ほとんどが「21個」だといいます。
どうして「21個」なのでしょう。
王冠のギザギザの数
ものをしっかりと固定する際、力学的には、「2点」でも「4点」でもなく「3点」で支えるのが、最も安定するといわれています。
しかし、それに倣って、ビール瓶の王冠のギザギザの数を「3個」にすると、ちょっとした力がかかることで、すぐに外れてしまうのだといいます。
そこで、「ビール瓶の王冠は、何点で支えるのが一番良いのか」と、研究を重ねたところ、3点の7倍の「21点」で支えるのが、最も良いという結果になったといいます。
これが、ビール瓶の王冠のギザギザの数が、21個になっている理由といえますが、この王冠のギザギザの数は、1957年(昭和32年)~1994年(平成6年)までは、「日本工業規格(JIS)」でも規定されていました。
その名残りもあって、現在でも、ほとんどのビール瓶の王冠のギザギザの数は、「21個」になっているということのようです。
ちなみに、ビール瓶の栓を抜く前に、栓抜きで王冠を軽くたたいたりする人がいますが、あれには、何の効果もないといわれています。