百貨店の「化粧品売り場」は、たいてい「1階」にありますが、化粧品売り場を、1階に置く理由が、何かあるのでしょうか。
百貨店の共通の見解としては、百貨店で化粧品を購入するお客さんは、リピート率が高いので、他の階へ移動することなく、購入できるようにという配慮から、ということのようですが、他にも、理由はあるようです。
におい対策
化粧品は、「におい」が強いので、お客さんが、不快に感じないためにも、換気を、よくする必要があります。
その点、1階ならば、出入り口があるので、外の空気との入れ替えもされやすく、他の階に比べて、空気が流れやすくなっています。
自然に、空気が入れ替わる「1階」が、化粧品の「におい対策」に適しているということになります。
また、上階に、化粧品売り場があると、においは、重さで下へ降りていくため、階段などから、階下にも、においが流れていくので、この点からも、化粧品売り場は、1階に配置するのがよいというわけです。
「華やかさ」と「雰囲気」
以前には、化粧品は、現在のように、ドラッグストアなどで、手軽に買えるものではなく、百貨店などでしか、手に入らないという時代がありました。
当時の百貨店の「華やかさ」や「特別な雰囲気」を残して、それを伝えていくという意も込めて、化粧品売り場を、1階に置くということもあるようです。
確かに、綺麗にメイクアップした店員さんが、来店して最初に目にする「1階」にいれば、百貨店の「華」になるような気もします。
心理効果
化粧品売り場を「1階」に置くことは、「心理学的」にみても、理にかなったことといわれます。
入口に近いところに、興味を引くショップや、魅力ある売り場を配置することで、下の階から上の階へ、お客さんを動かしていく効果が期待できるといいます。
これは、「噴水効果」と呼ばれています。
これとは逆に、最上階に、魅力のあるサービスや、興味を引く商品などを置いて、そのついでに、他の階にも寄ってもらうという手法もあります。
こちらは、「シャワー効果」と呼ばれます。
確かに、「物産展」などの催事場は、上の階に設置されている場合が多いです。
百貨店ができた当初に、このような「心理効果」を考えて配置したかどうかは、定かではありませんが、化粧品売り場は、百貨店の華として、今でも、集客に力を発揮しているようです。