新年のご挨拶の「年賀状」。
メールやSNSが普及して久しいですが、今でも、毎年欠かさずに「年賀状」を出している人もたくさんいます。
そんな年賀状をよく眺めてみると、普通の郵便物にはあるはずのものがないことに気がつきます。
配達されてきた郵便物には「消印」が押されていますが、年賀状には、その消印が押されていません。
消印
郵便物に押されている「消印」は、郵便局が、郵便物を収集したことを証明したり、再利用を防止したりするために押される「印」です。
消印は、郵便局で郵便物が受け付けられた際に、切手付近に押されます。
年賀状の消印
年賀状に消印を押さなくなったきっかけは、年賀状の量があまりにも多くて、消印を押す作業が間に合わなくなったことにあるといわれています。
昭和36年(1961年)に、「特別取扱規定」が設けられ、年賀状への消印が廃止されました。
大晦日までに出された「年賀はがき」のうち、切手が印刷されている年賀状については、消印を押さずに配達することになったのです。
これが、現在まで続いていて、年賀状には、消印が押されていないというわけです。
消印が押されない期間
12月15日から28日までに出された郵便は、「年賀特別郵便」として取り扱われ、1月1日付けの消印扱いで配達されるのが一般的です。
また、12月29日から1月7日に差し出された場合は、料額印面のはがき(郵便料金が印刷されているはがき)に、「年賀」と赤文字で書かれていれば、消印は押されないことになっています。
この「1月7日」は、正月の「松の内」の期間が想定されているといわれています。
消印が押されるのは、年内は12月14日まで、新年は1月8日以降と考えておくと良さそうです。
消印がなければ、はがきの交換ができる?
書き損じたはがきは、5円の手数料を支払えば、新しいはがきと交換してもらうことが可能です。
年賀状に消印がなければ、自分に送られてきた年賀はがきを、「書き損じ」ということで、新しいはがきと交換ができてしまうようにも思いますが‥。
しかし、そういうことは、できないようになっています。
郵便局に集配された郵便物には、目には見えない塗料で「バーコード」が印字されているからです。
普通に見ただけでは分かりませんが、ブラックライトをあてると、バーコードが浮かび上がってきます。
このため、一度配達されたはがきを、郵便局に持って行って交換してもらおうとしても、すぐに分かってしまいます。