節分の豆まきも終わり、一晩あけると「立春」。
暦の上では「春」ということですが、実際のところは、まだまだ寒い日が続きます。
「立春大吉」というお札がありますが、このお札には、どういう意味があって、どういう貼り方をすればいいのでしょう。
立春
「立春」は、二十四節季の一つで、この日から「立夏」の前日までが、「春」ということになります。
「立春」は、春の初日で、「冬至」と「春分」のちょうど中間に当たる日でもあります。
旧暦では、「立春」の日から1年が始まるとされていましたが、立春の頃は、今も昔も、まだまだ寒い時期です。
「春」が「立」つと書いて、「立春」。
「立」という字には、これから動き始めるという意味がありますが、「立春」は「春が動き始める」という日で、これから暖かくなっていく節目の日というわけです。
立春大吉
立春の日、禅寺の門前には、「立春大吉」と書かれたお札が張り出されますが、これには「厄除け」の意味があります。
「立春」の前日の「節分」の日に豆まきをして、一年間の厄を払い、新しい年の始まりである「立春」の日に、厄が来ないようにと願いを込めて、「立春大吉」のお札を貼ります。
縦に書かれた「立春大吉」という文字をよく見ると、気づくことがあります。
縦に書かれたこの四文字の真ん中に線を引いてみると、四文字すべてが「左右対称」になっています。
裏から見ても表から見ても、「立春大吉」と読むことができるというわけです。
昔から、「左右対称」は縁起が良く、商売も繁盛するという言い伝えもあります。
立春大吉のお札で鬼が出ていく(厄除け)
立春は、「節分」の次の日であることからか、こんな話が伝えられています。
鬼が、玄関に「立春大吉」のお札が貼ってある家に入った後で、ふと振り返ると、同じように「立春大吉」と書いてあるお札が目に入ります。(裏から見ている。)
これを見た鬼は、「この家には、まだ入っていなかった」と勘違いをして、逆戻りして出て行ってしまいました。
このように、「立春大吉」のお札を貼っていると、「厄除け」になり、1年を平穏無事に過ごすことができるとされています。
「豆まき」はしても、「立春大吉」のお札を貼る家庭は少ないようですが‥。
立春大吉の貼り方
「立春大吉」の貼り方は、玄関、子供部屋、大切な部屋の入口、家の鬼門などに、外に向けてノリや両面テープで「目線よりも高い位置」に貼るのが良いとされてます。
画鋲などで穴を開けてしまうのは、良くありません。
玄関に貼る場合は、「向かって右側」に貼ります。
また、「鬼門」は「北東」の方角で、鬼が出入るする方角として忌み嫌われる方角ですが、「南西」も「裏鬼門」として嫌われる方角です。
神棚があれば、神棚にお供えするのもより良いとされていますが、貼る時間については、立春の日の早朝に貼るのがベストといわれます。
鎮防火燭
「立春大吉」のほかに、「鎮防火燭(ちんぼうかしょく)」というお札がある場合は、玄関か台所に貼ります。
玄関、台所どちらに貼る場合も、目線よりも高い位置に貼るようにし、玄関に「鎮防火燭」を貼る場合は、「向かって左側」に貼るようにします。(玄関の向かって右側には「立春大吉」。)
「鎮防火燭」は、「火の用心」のご利益があるお札です。
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立春を過ぎると、南の地方では、梅が咲き始めるところもありますが、北の地方は、冬真っ只中です。
暦の上では、春になったとはいえ、まだまだ雪と格闘している時期でもあります。
穏やかな暖かい春が待ち遠しいです。