文字どおり、一年のうちで最も寒さが厳しいとされる「大寒」は、二十四節気の一つで、毎年1月20日頃(うるう年は1月21日)から、次の節気の立春(2月3日または2月4日頃)までの期間を指します。
最初の日(1月20日または1月21日)のことを、大寒と呼ぶこともあります。
大寒は、二十四節気では、冬の最後とされていて、最終日が季節の変わり目の節分となります。
二十四節気の最後が「大寒」
二十四節気の発祥は中国ですが、日本では、二十四節気は、農作業の目安にされてきました。
1太陽年を日数で24に分けて、それぞれに季節を表す名前が付けられていますが、「大寒」は、二十四ある節気の一番最後の24番目の節気です。
「大寒」と、その一つ前の節気の「小寒」とあわせた期間は、「寒(かん)」と呼ばれ、一年でも一番寒い時期ですが、これを過ぎれば、暦の上では暖かくなる「春」がやってきます。
「寒の戻り」といわれたりしますが、これは、春になって暖かくなってきた頃に、急に寒くなったときに使われる言葉です。
食品の仕込みの時期
大寒の頃には、武道などで寒稽古が行われる様子が、ニュースで報道されたりしますが、これには、「寒さに打ち勝って、精神を鍛える」というような意味があるといわれています。
一年で最も寒いこの時期は、「凍り豆腐(高野豆腐)」「寒天」「酒」「味噌」などの、「仕込みの時期」でもあります。
大寒の朝に汲まれた水は、雑菌が少なく腐りにくいとされていて、この水で仕込んだ食品も、腐りにくいといわれています。
大寒卵
大寒の朝に産まれた卵は、「大寒卵」と呼ばれます。
この「大寒卵」を食べると、1年を健康に暮らせるとされ、昔から珍重されています。
昔は、冬の寒い時期には、産卵数が極端に少なくなっていたようですが、寒い時期には、飼料を多く食べるようになるので、この時期の卵は、一年のうちでも栄養価が高いとされてきました。
特に、大寒の朝に産まれた「大寒卵」は、黄身も濃厚で、最もおいしい卵とされています。
寒さのため、産卵数は減りますが、その代わりに栄養がたっぷりと含まれているのが、「大寒卵」だというわけです。
縁起が良い
大寒に産まれた卵は、「大寒卵」「寒卵」と呼ばれますが、風水では、「大寒卵」を食べると縁起が良いとされていて、「1年を健康で過ごすことができる」「金運に恵まれる」といわれています。
大寒卵を食べるのは、縁起担ぎという面もあるかもしれませんが、この時期の卵は、1年のうちでも最も栄養が豊富だともいわれているので、あながち縁起担ぎだけとはいえないかもしれません。