胡椒が入っていないのに「柚子胡椒」という理由は?

スッとした爽やかさがあって、ピリッと辛い「柚子胡椒」は、もともとは、大分県の農家で自家用に作られていた調味料だといわれています。

その独特の風味が評判になって、全国的に広まっていった調味料が「柚子胡椒」です。

胡椒は入っていない

一般的な「柚子胡椒」は、深い緑色をしていて、ビン詰めにされています。

「柚子胡椒」は、まだ青い頃の「柚子の皮」を薄くむいてすりつぶし、ペースト状にして「青唐辛子」と混ぜ、塩を加えて、一年以上熟成させて作られています。

「柚子胡椒」という名称ですが、その中に、胡椒は一粒も入っていません

胡椒=唐辛子

九州の一部の地域では、「唐辛子」のことを「胡椒」と呼んでいるといいます。

この地域の人にとっては、「柚子胡椒」という名称は、その中に含まれている「柚子」と「胡椒(=唐辛子)」を並べただけの、ごく当たり前の名称というわけです。

「柚子」「胡椒(=唐辛子)」を原料にした調味料だから、そのまま単純に「柚子胡椒」というわけです。

もし、この地域で「唐辛子」のことを「胡椒」と呼んでいなかったら、「柚子胡椒」ではなく「柚子唐辛子」という名称になっていたのかもしれません。

柚子胡椒は、刺身や鍋物の「薬味」にしたり、パスタ料理の「隠し味」に使われたりと、いろいろな使い方がされています。

緑色の柚子胡椒のほかにも、「黄色い柚子」と「赤唐辛子」で作った「赤色の柚子胡椒」などもありますが、一般的に、「緑色の柚子胡椒」は「辛味が強く」、「赤色の柚子胡椒」は「香りが強い」といわれています。