はがきなどを縦書きで書いていると、数字を書く時に、ふと手が止まってしまうことがあります。
アラビア数字を使えばいいのか、漢数字を使えばいいのか。
また、漢数字で書く場合には、数字だけを並べて書けばいいのか、十や百などの位を表す漢字を含めて書けばいいのかも迷ってしまいます。
漢数字を縦書きで書く際の書き方を紹介します。
漢数字の縦書き
漢数字を縦書きで使う機会は、はがきや便箋、祝儀の金額など、身近にも結構多くの機会があります。
戸籍などでは、漢数字が改ざんされないよう「壱、弐、参」などの「大字(だいじ)」と呼ばれる文字が使われたりしますが、日常的には、大字が使われることは、そんなに多くはありません。
祝儀の金額などで大字が使われることも少なくありませんが、一般的には「一、二、三、四、五、六、七、八、九」の漢数字が使われます。
しかし、漢数字の書き方については、「これが正解」というものは、特に決まっているわけではありません。
「命数法」と「記数法」
漢数字の表記は、大きく二つの表記に分けることができます。
「命数法での表記」と「記数法での表記」です。
それぞれの表記法は、次のとおりです。
命数法
「543(ごひゃくよんじゅうさん)」の言葉の発音どおりに表した表記(五百四十三)が命数法での表記です。
「数の言い表し方」の表記が、命数法での表記といえます。
記数法
「543(ごひゃくよんじゅうさん)」の数だけの表記(五四三)が記数法での表記です。
「数の書き表し方」の表記が、記数法での表記といえます。
漢数字の日付
縦書きの漢数字の日付けをよく目にするのが「賞状」ですが、賞状の日付けの多くは「十」の文字が使われています。
10月は「十月」、11月は「十一月」、12月は「十二月」、23日は「二十三日」、31日は「三十一日」といった具合です。
例えば、平成31年4月23日は「平成三十一年四月二十三日」と書かれていることが多いです。
「平成三一年四月二三日」と書かれることもありますが、あまり一般的ではないようです。
〇 平成三十一年四月二十三日
△ 平成三一年四月二三日
ちなみに、西暦で書く場合、西暦には「十」や「百」などは使わず、数字だけを書くのが一般的です。
二〇一九年四月二十三日
漢数字の金額
金額の漢数字は、祝儀袋や香典袋などに金額を書く時によく使われます。
その際には、一般的な「一、二、三、四・・・」という漢数字が使われることもありますが、「大字」が使われることも多いです。
代表的な大字には「壱(一)」「弐(二)」「参(三)」「拾(十)」「佰(百)」「仟(千)」「萬(万)」などがあります。
金額の漢数字に大字が使われるのは、金額が改ざんされないようにするのが、大きな目的の一つとされています。
例えば、「二」の真ん中に一本の横腺を加えれば「三」になり、「一」に縦線を加えれば「十」になってしまうからです。
金額の書き方例
1,000円 → 千円、壱仟円、(一,〇〇〇円)
2,000円 → 二千円、弐仟円、(二,〇〇〇円)
10,000円 → 一万円、壱萬円、(一〇,〇〇〇円)
30,000円 → 三万円、参萬円、(三〇,〇〇〇円)
100,000円 → 十万円、壱拾萬円、(一〇〇,〇〇〇円)
漢数字の番地
はがきの宛先など、住所を縦書きにする際の番地は、数だけをそのまま書くというのが一般的です。
例えば、「1丁目23番地10号」の場合は、「一丁目二十三番地十号」ではなく「一丁目二三番地一〇号」と書くのが一般的とされています。
11番地は一一番地、23番地は二三番地、622番地は六二二番地、305番地は三〇五番地という具合です。
まとめ
漢数字を縦書きで書く場合、横書きのアラビア数字をそのまま漢数字に変えるだけでも、大きな間違いとなることはないかもしれませんが、漢数字表記の一般的な慣習というものもあります。
その慣習をよく理解しておいて、スマートな漢数字表記を心がけたいですね。