メモをとろうとした時に、ボールペンのインクが出ない。
インクはたくさん残っているのに、どういうわけかペン先からインクが出てこない。
他に筆記用具があればいいのですが、そのボールペンしか持っていないと焦ってしまいます。
何とかインクが出るようにしようと、メモ帳の上でぐるぐると動かしてみますが、ほとんどの場合無駄な努力で終わってしまいます。
ボールペンのインクを復活させるいい方法はあるのでしょうか。
ボールペンのインクが出ない原因
ボールペンのインクが出ない原因は、大きく2つに分けることができます。
ボールペンの先の「ボール」の部分に原因がある場合と、ボールペンの中に入っている「インク」そのものに原因がある場合です。
「ボール」に原因がある場合
ボールペンのペン先には、小さな「ボール」と呼ばれる部品がついていて、このボールが回転することで、インクが送り出されてきます。
このボールが、何らかの原因でうまく動かなくなると、インクが出てこなくなってしまいます。
ボールが動かなくなる原因には、乾燥や劣化、固まったインクや紙粉などの詰まりなどが挙げられます。
また、紙の表面が滑りやすい場合などには、ボールがうまく回転しないこともあります。
紙のコーティング剤
コピー用紙や感熱紙などの中には、紙の表面がコーティング加工されているものがあります。
コーティング加工された紙にボールペンを使うと、ペン先で削られたコーティング剤がボールに巻き込まれ、ボールが回転しにくくなることがあります。
ペン先が0.7mmよりも大きい、太字用のボールペンなら、コーティング加工された紙に書いても、ボールの目詰まりは比較的しにくくなります。
「インク」に原因がある場合
乾燥などが原因でインクが固くなっていたり、ボールとインクの間に空気が入っていたりすると、インクがボールの部分まで下がってこれなくなってしまいます。
また、ボールペンのペン先を上にして書こうとすると、インクが逆流してしまうので書けなくなります。
ボールペンを使う時には、インクがペン先に流れていくように、必ずペン先が下向きになるようにして使いましょう。
ボールペンのインクを復活させる方法
柔らかい紙に書いてみる
ボールペンからインクが出てこない時には、まずは、紙を別の柔らかい紙に変えて書いてみましょう。
ボールがうまく回転していない場合には、柔らかい紙にペン先を軽く押し付けるようにしてゆっくり書くと、固まっていたインクや詰まっていたほこりやゴミなどがとれて、ボールがスムーズに回転し始めることがあります。
柔らかい紙がなければ、ティッシュでOKです。
一般的に、ボールペンをあまり寝かせ過ぎると、ボールがうまく回転せず、インクが出にくくなるといわれているので、この時も、ボールペンの角度は、60°~90°くらいを保つようにしましょう。
寝かせすぎると、ペン先で紙面を削って紙詰まりを起こし、さらにインクが出にくくなってしまうこともあります。
ペン先を掃除してみる
ペン先に、固まったインクやゴミなどが詰まっている場合には、柔らかい紙に書いたり、ティッシュで丁寧に拭き取れば、きれいになってインクが出るようになることもありますが、その他にも、タバコのフィルター(吸う部分)を使ってペン先を掃除する方法があります。
タバコのフィルターにペン先をねじ込んで、10~20回くらい回転させれば、ペン先がきれいになってインクが復活することがあります。
フィルターの繊維は非常に細かいので、ペン先の細かい隙間にまで入り込んで、しっかりと掃除ができるというわけです。
インクを温めてみる
ペン先の掃除をしても、まだインクが出てこないようなら、次はインクを温めてみます。
インクが乾燥して固まり、ペン先に届いていないのが原因かもしれないからです。
ペン先を下に向けて、手で温めたり、低温のドライヤーやぬるま湯を使ったり、冬場ならストーブなどに近づけたりして、とにかく温めてみましょう。
そんなに高い温度で温める必要はありません。
温めることで、固まっていたインクが柔らかくなって、ペン先の方に流れていきやすくなります。
ただ、最近のボールペンは、ペン先でインクが固まらないように、インクの改良が行われたり、使用しない時には、スプリングがボールを押すことでペン先を塞いで乾燥を防ぐというような工夫がされているので、インクが乾燥して固まって書けなくなるという不具合は少なくなっているといわれています。
ボールペンを振ってみる
インクの間に空気が入っていたり、インクがペン先に届いていないような場合には、ペン先と反対側の端を持ってボールペンを振ると、空気が抜けて、インクがペン先の方に流れていくことがあります。
インクの間に空気が入った場合は、本来なら、ペンの後ろからペン先へ向けて、強い圧力をかけるのが一番の解決方法ですが、これには専門的な作業が必要になるので、一般の人には難しいです。
次善の策として、体温計の水銀を下げるときの要領で、ボールペンを何度も振ってみましょう。
振り続けていると、次第にインクがペン先に寄っていくことがあります。
ポールペンの保管方法
ボールペンを長く使い続けるためには、普段の扱い方がとても大事になります。
ボールペンが途中で書けなくなって、捨ててしまったという経験がある方も多いのではないでしょうか。
ボールペンが書けなくなってしまうのは、保管方法が原因になっていることも少なくありません。
正しい保管方法でボールペンを保管しておいて、最後まで使い切るようにましょう。
ペン先は下に向けておく
ペン立てにボールペンを立てて保管する時、ペン先はどちらを向いているでしょう。
ペン先が上を向いているという人も多いのではないでしょうか。
ボールペンにキャップがついていない場合は、ペン立ての底が汚れてしまうということもあって、ペン先を上に向けることが多いかもしれませんが、こうすると、インクがペン先とは逆方向に流れてしまいます。
ペン先から空気が入らないようにするためにも、ペン立てで保管する場合は、ペン先を下にして保管するようにしましょう。
ペン先を乾燥させない
ペン先が乾燥すると、インクが固まって、ボールがうまく回転しなくなってしまいます。
キャップがついているボールペンは、必ずキャップをして保管するようにしましょう。
ノック式のボールペンにはキャップがついていないから、キャップ付きのボールペンもキャップをしなくて大丈夫だと思っていないでしょうか。
ノック式の場合は、気密性を考えたデザインがされていて、キャップをしなくても、ある程度乾燥を防ぐことができるようになっているものが多いといわれています。
キャップ付きのボールペンの場合は、キャップをして乾燥を防ぐことが前提になっているので、保管する際には、必ずキャップをして、ペン先に付いたインクの乾燥を防ぐようにしましょう。
温度・湿度に注意する
ボールペンのインクは、温度や湿度の影響をうけやすいといわれます。
車の中に置いていたボールペンが、すぐに書けなくなってしまったという経験はないでしょうか。
駐車中の車内は、50℃以上になることも珍しくないといわれますが、この高温のため、インクが急速に劣化して書けなくなってしまうといわれます。
一般的に、高温多湿の場所では、インクの劣化が早まり、低温の場所では、インクの粘りが強くなってしまいます。
温度が高すぎる場所や低すぎる場所、また、極端な温度変化のある場所での保管は避けるようにしましょう。
まとめ
知らず知らずのうちに増えていくことが多いボールペンですが、それらの多くは、いつの間にか書けなくなっていることが多いです。
使わずに置いておいた、お気に入りのボールペン。
書けなくなってしまっていても、インクが残っていれば、復活させることができるかもしれません。
捨ててしまう前に、復活できないか、もう一度チャレンジしてみてはどうでしょう。