年齢の数え方/「満年齢」と「数え年」の違いは?

年齢には、「満年齢」と「数え年」の二種類の数え方があります。

以前の日本では、「数え年」が使われていましたが、現在では、「満年齢」が一般的に使われています。

普段の生活で、「年齢」といえば、ほとんどの場合は、「満年齢」を指します。

「満年齢」と「数え年」には、どんな違いがあるのでしょう。

満年齢

「満年齢」は、生まれた日を「0歳」のスタートとして、誕生日がくる毎に、1歳ずつ年をとっていくという数え方です。

1年後の誕生日に「1歳」、その次の年の誕生日には「2歳」という風に、1年に1歳ずつ年をとっていきます。

満年齢の数え方

満年齢の数え方は、「年齢計算に関する法律」に定められています。

年齢計算に関する法律
1 年齢は出生の日より之を起算す
2 民法第143条の規定は年齢の計算に之を準用す
3 明治6年第36号布告は之を廃止す
民法第143条
1 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

少し難しく感じますが、簡単に言うと、

誕生日を起算として、翌年の誕生日の前日の午後12時(=誕生日の午前0時)に1年が満了して歳をとる

ということになります。

「誕生日の前日の午後12時」は「誕生日の午前0時」と同一時刻ですが、考え方として、誕生日の前日が終わる瞬間に1歳年をとるということです。
(時間の「表裏」の関係と考えると、分かりやすいかもしれません。)

この考え方によれば、うるう年の2月29日に生まれた人も、2月29日の前日の「2月28日」が終わる瞬間に、1歳年をとることになるので、毎年、歳を重ねていくことになります。

また、4月1日生まれの人は、3月31日に1歳年をとることになるので、「早生まれ」となって、4月2日生まれの人よりも、1年早く就学することになります。

数え年

「数え年」は、生まれた日を「1歳」として、毎年、元日(1月1日)に1歳年をとっていくという数え方です。

2022年12月1日に生まれた人は、その日に1歳となり、1ヵ月後の2023年1月1日には、2歳になるということになります。

数え年の数え方の特徴

数え年の数え方の特徴は、

・生まれた日を「1歳」とする。
・元日(1月1日)に年をとる。

ということです。

生まれた日を「1歳」とする理由

生まれた日を「1歳」とすることの理由については、いくつかの説がありますが、最も代表的な説が、
胎児として命を授かっていた「妊娠期間」も年齢に考慮し、生まれた時点では「1歳」とする
という説です。

一般的に、妊娠期間は「十月十日」といわれるので、1年弱は、胎児として、お母さんのお腹のなかで過ごしています。

この期間も、年齢として考慮するとすれば、生まれた時点で1歳というのも、納得できます。

「満年齢」は、命のカウントの始まりを「出産時」とするのに対して、「数え年」は、「出産前の受精時」を命のカウントの始まりとしているといえるかもしれません。

また、始まりを表す数字として「0」は使わない、という説もあります。

学校の最初の学年は「0年生」ではなく「1年生」であり、野球は「0回の表」ではなく「1回の表」から始まります。

この考え方からすれば、生まれた最初の歳は、「0歳」ではなく「1歳」というのも、納得できます。

元日(1月1日)に年をとる理由

正月の元日に年をとることの理由については、「年神様(としがみさま)」が、関係しているといわれています。

昔から、正月には、各家庭に「年神様」がやっくると考えられていました。

年末に大掃除を行い、門松やしめ縄を飾って、鏡餅を用意するのは、正月に年神様をお迎えするためです。

年神様は、豊作や幸せをもたらしてくれる神様ですが、豊作や幸せのほか、歳も授けてくれるとされていたために、正月の元日に年齢を加えるようになったといわれています。

「満年齢」と「数え年」の違い

「満年齢」と「数え年」の大きな違いは、

・生まれた時の年齢
・年齢を加える時期

の二点です。

「生まれた時の年齢」は、満年齢では「0歳」、数え年では「1歳」です。

「年齢を加える時期」は、満年齢では「誕生日」、数え年では「1月1日」です。

「満年齢」と「数え年」の関係

「満年齢」と「数え年」の違いから、その年の、それぞれの年齢の関係は、次のように表すことができます。

・誕生日前:「数え年」=「満年齢」+「2歳」
・誕生日後:「数え年」=「満年齢」+「1歳」

まとめ

現在では、年齢といえば、「満年齢」を指すことがほとんどですが、昔ながらの習慣では、「数え年」が使われる場合も少なくありません。

「厄年」「長寿祝い」「七五三」などは、従来から「数え年」が使われていました。

しかし、最近では、数え年に馴染みがなくなってきたということもあり、昔は「数え年」でおこなっていた場合でも、「満年齢」で行うことも多くなってきているようです。

伝統的な行事で「年齢」が関係するものについては、その年齢が「満年齢」なのか「数え年」なのかを、事前に確認する必要があるかもしれません。