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ゲリラ豪雨とはどんな雨のこと?原因と対策は?夕立ちとはどう違う?

最近、「ゲリラ豪雨」という言葉をよく耳にするようになりました。

ゲリラ豪雨とは、ここ数年で注目されるようになった、短時間に発生する集中豪雨のことです。

ゲリラ豪雨は、予測するのが難しいといわれていますが、予測を難しくしているゲリラ豪雨のメカニズムとはどのようなものなのでしょうか。

ゲリラ豪雨

ゲリラ豪雨とは、非常に狭い地域で短時間に多量の雨が降る現象のことをいいます。

数値で言えば、直径数十キロメートルの狭い範囲で、1時間に50ミリを超えるような大雨が「ゲリラ豪雨」といえます。

狭い範囲で突発的に起り、予測が難しいことから「ゲリラ」と名付けられたようですが、正式な気象用語ではなく、気象庁では「局地的大雨」と呼ばれています。

「ゲリラ豪雨」という言葉は、2008年頃からメディアや一部の気象会社で使われるようになり、今では一般的にもよく知られる言葉になっています。


ゲリラ豪雨の原因

ゲリラ豪雨の直接の原因となるのは、俗に入道雲とも呼ばれる「積乱雲」です。

地表付近の温かく湿った空気が上昇していくと、上空にある冷たく乾いた空気とぶつかって、大気の状態が不安定になりますが、この不安定さを解消しようと、上下の空気が混じり合って発生するのが積乱雲です。

積乱雲は、水平方向ではなく垂直方向に発達していくため、局地的な狭い範囲で、激しい雨を降らす原因になります。

ゲリラ豪雨は、雨が降っている時間は短いですが、1時間に100ミリを超えるような猛烈な雨が降ることも珍しくありません。

都市部の下水では、1時間に100ミリを超えるような豪雨には対応しきれないので、短時間の降雨でも水害につながってしまいます。

俳句で、「入道雲」が夏の季語になっているように、積乱雲(=入道雲)は、夏場に発生しやすくなるので、ゲリラ豪雨も夏に起こることが多くなっています。

ゲリラ豪雨の発生頻度が増加傾向

最近、ゲリラ豪雨が発生する頻度が高くなっていますが、ゲリラ豪雨が発生する要素を整理すると、その理由が見えてきます。

【ゲリラ豪雨発生の要素】
 1. 地表付近の温かく湿った空気
 2. 上空の冷たく乾いた空気
 3. 温かく湿った空気の上昇

ゲリラ豪雨は、この3つの要素が揃ったときに発生しやすくなります。

このうち、1と2は、太平洋高気圧や偏西風の影響を受けますが、今も昔も大きく状況が変化しているということはないとされています。

ただ、3の「温かく湿った空気の上昇」については、以前に比べると、現在の方が起こりやすい状況になっているといわれています。

ゲリラ豪雨は、都市部で発生しやすい傾向にありますが、これに関係しているのが「ヒートアイランド現象」を始めとした、地表付近の温暖化だと考えられています。

緑や土が減って、地面のアスファルト化が進んだことで、熱をため込んで冷めにくくなり、上昇気流が発生しやすくなっています。

狭い地域で集中して発生する、車やエアコンの室外機からの排熱なども、急激な上昇気流を引き起こす要因の一つになっているといわれています。

また、ビルなどの高い建物が密集していると、風の通りが悪くなって熱がこもりやすくなり、逃げ場を失った温かい空気は、ビルに沿って上昇するしかなくなります。

都市化による街の温暖化が、ゲリラ豪雨の増加の一因になっているといえそうです。

ゲリラ豪雨に対する対策

ゲリラ豪雨では、急に激しい雨が降って、その雨が低い場所へ一気に流れ込むため、総雨量としてはそれほど多くなくても、数十分程度で大きな被害が発生することもあります。

【ゲリラ豪雨の被害例】
・地下街や地下鉄の駅などに雨水が流れ込む。
・地下空間に閉じ込められる。
・マンホールの蓋が吹っ飛ぶ。
・川の増水で中州に取り残される。

空や天候の状態が次のような状態のときには、ゲリラ豪雨が発生する可能性があるので、注意が必要です。

【ゲリラ豪雨発生の予兆】
・黒い雲が近づいてきて、周囲が急に暗くなる。
・雷鳴が聞こえたり、雷光が見えたりする。
・冷たい風が吹き始める。
・大粒の雨やひょうが降り始める。

情報をこまめにチェック

ゲリラ豪雨は予測することが難しいといわれていますが、せめて雨が降る直前にでも情報を知ることができれば、傘を準備したり、外出を控えたりするなどの最低限の対策をとることはできます。

気象庁の「レーダー・ナウキャスト」というサイトでは、地域ごとのゲリラ豪雨の情報を知ることができます。

指定した地域と時間の降水状況を、動画で確認することができ、視覚的で分かりやすいです。

また、スマホアプリ(有料)の「ウェザーニュースタッチ」は、90%以上の確率で、ゲリラ豪雨の発生を、平均56分前までに、プッシュ通知で知らせる機能があります。

予測が難しいといわれるゲリラ豪雨ですが、5時、11時、17時に発表される天気予報で「大気の状態が不安定」という予報があれば、要注意です。

ゲリラ豪雨の原因となる積乱雲は、大気の状態が不安定な時に発達しやすくなるからです。

外出先でも、常に最新の天気予報をチェックするようにしたいものです。

ゲリラ豪雨と夕立の違い

「ゲリラ豪雨」とよく似た現象に「夕立」がありますが、どちらも、上空の大気が不安定になって積乱雲が発生することで起こる現象で、夏の時期に起こることが多い現象です。

ゲリラ豪雨という言葉が使われる以前には、夏の午後に急に積乱雲ができて雨が降り出す現象は、ほとんどが「夕立」と呼ばれていて、特に強い雨が降った場合などは、局地的大雨などと呼ばれていました。

しかし、「ゲリラ豪雨」という言葉が使われるようになってからは、「夕立」という言葉はあまり使われないようになっています。

「ゲリラ豪雨」「夕立」のいずれも、正式な気象用語ではないので、はっきりとした使い分けがされているわけではありませんが、次のように区別することができそうです。

ゲリラ豪雨:狭い範囲で突然降りだす、短時間の激しい雨

夕立:午後から夕方にかけて突然降りだす、ごく短時間の雨(特に夏場)

ただ、気象庁で「ゲリラ豪雨」や「夕立」という表現が積極的に使われることはなく、「ゲリラ豪雨」は「局地的な豪雨」「局地的大雨」、「夕立」は「夕方に雨」などと表現されることが多いです。

気象庁では、「ゲリラ豪雨」は「使用を控える用語」に、「夕立」は「気象庁が発表する報道発表資料、予報解説資料などに用いる用語(解説用語)」に指定されていて、一般的な予報用語とは区別されています。

【気象庁での用語の定義】
・豪雨:著しい災害が発生した顕著な大雨現象
・局地的大雨:急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨
・集中豪雨(解説用語):同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨

「ゲリラ豪雨」と「夕立」の違いについては、冠水や浸水などの災害をもたらす可能性があるかどうかが、違いの一つの目安に挙げられるかもしれません。




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