鼻がムズムズして、くしゃみが止まらないということがあります。
くしゃみをすると、ムズムズが解消してスッキリしますが、映画館や会議の最中など、時と場合によっては、思い切ってくしゃみができないこともあります。
くしゃみの原因と、くしゃみを止める方法を紹介します。
くしゃみの原因
くしゃみは、時と場所を選ばす、突然したくなることがほとんどです。
周りに誰もいなければ、気にせず大きな声で「はくしょん!」とくしゃみをすればスッキリしますが、人がいて静かな雰囲気の時には、周りに迷惑をかけてしまうので、気を遣ってしまいます。
くしゃみをしたくないと思っても、どうしても我慢できないこともあります。
どうしてくしゃみがでるのか、くしゃみの原因について紹介します。
アレルギー反応(花粉、ハウスダスト)
くしゃみの原因で多いのが、「花粉」や「ハウスダスト」などによる「アレルギー反応」だといわれます。
「花粉症」になると、くしゃみがでやすくなるということはよく知られています。
体の中に「花粉」が入ってくると、「ヒスタミン」という物質が分泌されますが、この「ヒスタミン」がくしゃみの原因になっています。
「ヒスタミン」が、くしゃみを起こす神経に刺激を与えることでくしゃみがでるとされていますが、このくしゃみは、花粉が体外に排出されるまで続くといわれています。
また、ゴミやホコリなどの「ハウスダスト」も刺激物質となるため、これらを体外に排出しようとして、くしゃみがでるといわれます。
くしゃみは、体に入ってきたアレルギー物質や刺激物質などを、体外に排出しようとして起こる「生理現象」といえます。
風邪(ウィルス、菌)
「風邪」も、くしゃみがでる原因になります。
風邪の「ウィルス」や「菌」が体内に入ってくると、体は、有害なものが入ってきたと判断し、それらを排出しようとしてくしゃみがでますが、くしゃみは、入ってきたウィルスや菌が、体外に排出されるまで続きます。
特に、風邪の引き始めの頃は、「ウィルス」や「菌」と活発に戦っているため、くしゃみがでやすくなるといわれています。
風邪の際のくしゃみは、体が必死に戦っている証しなので、我慢しないで、思いっきりくしゃみをした方が、体にとっては良いことだといえそうです。
くしゃみを我慢すると、それだけ体内に「ウィルス」や「菌」が残ってしまうことになるからです。
ただ、このくしゃみでは、「ウィルス」や「菌」が飛び散るため、周りの人に感染する可能性が高くなるので、注意が必要です。
温度差、光
「温度差」や「光」も、くしゃみの原因になります。
温度差
「温度差」が原因になって「寒暖差アレルギー」が生じ、くしゃみがでることがあります。
一般的に、「寒暖差アレルギー」は、7℃以上の温度差がある場合に起こるといわれていて、「温度差」が刺激になって、鼻粘膜の血管を広げて内部が腫れることで、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を引き起こすと考えられています。
・暖かい所から寒い所へ移動したとき
・ラーメンなど熱くて刺激が強い物を食べたとき
・スキー場などで冷たい空気を吸ったとき
光
「強い光」が原因になって、くしゃみがでることもあります。
「光くしゃみ反射」と呼ばれていますが、強い光にさらされたとき、まぶしさを感じると同時にくしゃみがでるというものです。
「太陽を見るとくしゃみがでる」というのは、この「光くしゃみ反射」です。
「三叉神経」が関係しているとされますが、詳しい原因は分かっていないようです。
日本人の4人に1人が、「光くしゃみ反射」を起こすともいわれています。
くしゃみを止める
くしゃみを止めるためには、くしゃみが止まる原理を知る必要がありますが、止まる原理はとても簡単です。
体の中にある「ウィルス」「菌」「花粉「ハウスダスト」などが、すべて体外に排出されれば、くしゃみは止まります。
「温度差」や「光」が原因の場合は、一時的なことがほとんどですが、その状況がなくなれば、くしゃみがでることはありません。
基本的に、くしゃみは、体の中に入ってきた異物を体外に排出しようとする「生理現象」です。
くしゃみを止めるためには、
・体の中に入っている異物をすべて体外に排出する。
・花粉などの刺激物質を体内に入れない。
という2点がとても大切です。
くしゃみの原因となるものをすべてカットすれば、くしゃみがでることもありません。
それぞれの人によって、くしゃみの原因は様々なので、まずは、自分のくしゃみ原因を知ることが大切です。
くしゃみを止める方法
くしゃみの原因によって、対処法も異なります。
「アレルギー反応」が原因になっている場合には、マスクなどを着用し、花粉やハウスダストなどの侵入を防ぐことで対処することができます。
外出するときには、マスクを装着し、家に帰ってきたら手洗い、うがいをして、花粉などの刺激物質を体に入れないようにします。
ハウスダストの発生を抑えるという意味では、部屋をこまめに掃除してキレイにしておくことも効果的な方法といえそうです。
乾燥しやすい寒い冬の時期には、部屋の湿度にも注意する必要がありそうです。
鼻の粘膜は、外からの刺激物質の侵入を防ぐには重要なものなので、粘膜を維持するため、加湿器を利用するなどして、一定の湿度を保つようにするといいです。
それでもくしゃみがでてしまいそうな時のために、くしゃみを止める方法をいくつか紹介します。
鼻の下を強く押さえる
鼻の下に、人差し指と薬指を当てて、強めに押します。
加藤茶さんがよくやる「カトちゃんペ」のポーズといえば、分かりやすいかもしれません。
鼻の下を押えることで、くしゃみを伝える神経の伝達をストップさせて、くしゃみを止めることができるといわれます。
ツボを押す
鼻の左右のふくらみのわきにある「迎香(げいこう)」というツボを押します。
鼻の両側から挟み込むように、静かに押しますが、数回繰り返せば、鼻のとおりがスッキリして、くしゃみが治まるといわれます。
迎香は、くしゃみだけではなく、鼻水や鼻づまりなど症状にも効果があるとされるツボなので、覚えておくと役立ちそうです。
鼻から一気に空気を吸い込む
鼻がムズムズして、くしゃみがでそうになったら、鼻から一気に空気を吸い込みます。
この方法は、くしゃみとは正反対の発想が基になっています。
くしゃみをすると、異物を体外に排除することで鼻のムズムズが解消しますが、この方法は、空気を吸い込んで、異物を体内に取り込むことで鼻のムズムズを解消しようとする方法です。
異物を体内に取り込んでしまうので、あまりお勧めできる方法ではありませんが、鼻の下を押さえても、ツボを押してもくしゃみが治まらない時には、試してみてもいいかもしれません。
まとめ
くしゃみは、アレルギー物質や刺激物質などを、体外に排出しようとして起こる生理現象です。
くしゃみがでないようにするためには、まずは、異物が体内に入ってこない環境をつくることが大切です。
それでも、くしゃみがでそうになったら、鼻の下を押える、ツボを押すなどすれば、くしゃみを止めることができることもあります。
自分のできる対処法をしても、くしゃみが治まらない場合には、耳鼻科を受診してみましょう。
くしゃみの原因が分からなければ効果的な対処もできませんが、耳鼻科では、原因を調べると同時に、本格的な治療を受けることもできます。