冬は、枯れている植物も多く、花粉もそんなに多く飛散することがないので、1年を通して、最も花粉症にかかりにくいといわれている時期です。
しかし、少ないとはいえ、冬にも花粉は飛んでいます。
住んでいる地域やその年の気候にもよりますが、花粉は1年中飛んでいるので、花粉に対して敏感な人は、冬でも花粉症の症状が現れることがあるといわれます。
冬に多い花粉
冬の時期に花粉を飛散させる代表的な植物には、山の低地や湿地に多いカバノキ科の「ハンノキ」や、北海道に多いキク科の「アキノキリンソウ」などがあります。
ハンノキ
「ハンノキ」は、高さ10~20mほどの植物で、日本では「北海道」や「北陸地方」など、比較的北の地域に自生しています。
葉は長い楕円形で、10月頃に果実をつけ、「ハンノキ」の花粉の飛散時期は「12月~3月頃」といわれています。
スギ花粉がない北海道では、花粉症の原因になる大半が、「ハンノキ」や「シラカバ(飛散時期:2月~6月頃)」の花粉とされています。
「ハンノキ花粉症」と「シラカバ花粉症」は、併発することが多いともいわれます。
アキノキリンソウ
「アキノキリンソウ」は、「11月頃から」花粉を飛ばす、キク科の植物です。
高さは1mに満たない程度で、先端には「黄色の花」をたくさんつけます。
道端や公園など、生活している身近なところに生えていますが、「ブタクサ」や「セイタカアワダチソウ」と見た目がよく似ています。
イネ科の植物
「イネ科の植物」は、基本的に、花粉の飛散は秋には終わりますが、「11月頃を過ぎても」飛散していることがあるといわれます。
「イネ科」の花粉症の特徴は、原因となる「植物の種類」が多く、あるイネ科の植物の花粉症を発症すると、別のイネ科の植物の花粉症にもかかってしまうこともあります。
スギ、ヒノキ
「スギ花粉」「ヒノキ花粉」の飛散のピークは「3~4月」ですが、「2月に入ると」花粉が飛び始めます。
「スギ」や「ヒノキ」は、樹木が高いため、花粉が非常に広範囲に飛散するので、花粉症の一番の原因となっています。
花粉症の症状
「花粉症の症状」としては、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「目のかゆみ」「咳」「頭痛」「発熱」などがあります。
「鼻づまり」がひどくなると、呼吸がうまくできなくなり、脳が酸欠状態になって頭がボンヤリしてしまいますが、それによって、「頭痛」や「発熱」といった症状が引き起こされることもあるといわれます。
「くしゃみ」や「鼻水」は、体内に入ってきた花粉を外に追い出そうとする「防御反応」といわれます。
「目のかゆみ」に関しては、かゆいからといって強くかいてしまうと、症状が余計に悪化してしまいます。
どうしても我慢できない場合は、かゆみを抑えるために「目薬」などを利用することを考えてみるのもいいかもしれません。
冬の花粉症対策
冬になると、多くの人がインフルエンザ予防などで「マスク」をしますが、その「マスク」が「冬の花粉対策」にもなります。
「マスク」で「花粉」そのものをブロックするということのほかに、「鼻の粘膜」の乾燥を予防するという効果もあるとされています。
空気が乾燥している冬には、鼻の粘膜が刺激を受けやすくなっています。
冬に花粉症の症状が出る場合は、「空気が乾燥している」ことが要因の一つになっていることもあるとされているので、マスクをすることで乾燥を防ぐことが、予防につながるというわけです。
「目のかゆみ」には、「眼鏡」をかけることで、ある程度、花粉をガードすることができます。
見た目の問題もありますが、「ゴーグル」のように肌に密着するタイプのものは、花粉をガードするには効果的とされています。
また、花粉症は、「免疫機能」を高めることで予防ができるともいわれています。
・十分に睡眠をとる。
・適度に運動をする。
・バランスのよい食事を摂る。
・規則正しい生活する。
などということを心がけることで、「免疫機能をアップ」させることが期待できるともいわれます。
花粉症対策には、花粉を体に取り込まないということと併せて、根本的に、体の免疫機能を強くするということが大切になりそうです。