鼻くそがたまるメカニズム/上手な鼻掃除の方法

鼻掃除

「はなくそ」は、漢字で「鼻糞」と書くように、「鼻から出た糞」です。
 
糞には、「垢(アカ)」「かす」という意味があるとおり、鼻くそは「鼻に残ったかす」というわけです。
 
鼻くそは、誰にでもたまっているものですが、鼻くそがたまるメカニズムは、どのようになっているのでしょうか。

鼻くそができる原因

空気中には、ホコリ、ダニ、微生物、ウィルス、花粉など、様々なものが浮遊しています。
 
呼吸することで、これらの異物が鼻から侵入してきますが、侵入してきた異物は、まず、鼻毛によってブロックされます。
 
しかし、すべての異物が鼻毛によってブロックされるわけではなく、いくらかの異物は鼻毛のプロックをすり抜けて、鼻腔内に侵入していきます。
 
そこで、さらに異物の侵入をブロックするのが、鼻腔内の粘膜です。
 
湿った粘液で、侵入してきた異物を吸着し、体内に入っていくのを阻止します。
 
この時、異物と粘液が混ざりあった液体が「鼻水」ですが、この鼻水は、呼吸することで少しずつ乾燥していきます。
 
そして、乾燥した結果、最終的に鼻腔内に残ったのが「鼻くそ」です。
 
異物の侵入を阻止した証として残った「かす」が、鼻くそだというわけです。
 
空気中に浮遊している異物が多いほど、たくさんの鼻くそができて、たまりやすくなります。

鼻毛

空気が汚れている環境では、それだけ浮遊している異物も多いので、異物の体内への侵入を阻止して体を守るため、鼻毛の成長が早くなるといわれています。
 
「鼻毛が多いと風邪を引きにくい」と言われたりもしますが、風邪のウィルスの体内への侵入を阻止しやすいという意味では、理にかなっているといえそうです。
 
身だしなみで、鼻毛をカットすることも多いですが、あまり短くカットし過ぎたり、抜いたりすると、鼻毛本来の機能が果たせなくなってしまうので注意しましょう。

鼻くそがたまりやすい環境

鼻くそは、空気中の浮遊物が体内に侵入していくのを阻止された後に残った「かす」なので、空気中に浮遊物がたくさんあると、鼻くそがたまりやすくなります。
 
つまり、空気が汚れている場所にいると、鼻くそがたまりやすくなるというわけです。
 
掃除をしていない部屋や排気ガスの多い道などは、鼻くそがたまりやすい環境といえます。
 
部屋のエアコンや車のエアコンのフィルターは、しばらく掃除しないと、黒く汚れてしまいますが、これは空気が汚れているからです。
 
これと同じ環境で汚れた空気を吸っていたら、フィルターの役目をする鼻にも、鼻くそがたまりやすくなります。
 
鼻くそを少なくしようと思えば、空気がきれいな場所で過ごせば良いというわけです。
 
また、乾燥していることが、鼻くその原因になることもあるといわれています。
 
鼻の中が乾燥すると、鼻水が過剰に出て、鼻くそができやすくなることがあるというのです。
 
乾燥している場所では、加湿することも、鼻くそをたまりにくくする効果的な対策だと考えられています。
 
ちなみに、風邪を引いている時には、体内のウイルスや菌が排出されるために、一時的に鼻水や鼻くそが多くなります。
 
風邪を引いた時の鼻くその多くは、ウィルスや菌と戦った「白血球の死骸」で、白血球の中にはウィルスや菌がたくさん入っているといわれています。
 
白血球の死骸を取り除くためにも、鼻の掃除はきちんとするようにしましょう。

鼻掃除の方法

鼻をほじっていて、鼻血が出た経験がある人も少なくないのではないでしょうか。
 
鼻くそを取ろうとして、鼻血が出るくらい鼻の中をほじってしまうのは、当然NGです。
 
鼻の中は思っている以上にデリケートで、指や爪で直接ほじると、すぐに鼻の粘膜が傷ついてしまいます。
 
傷ついた箇所から菌などが入ってしまい、炎症を起こしてしう原因にもなってしまいます。
 
鼻掃除の際には、指や爪で直接ほじるのではなく、「綿棒」を使うようにするといいです。
 
綿棒を使って、ゆっくりとなぞるようにするだけでOKです。
 
何回もなぞらなくても、右回りと左回り、それぞれ1~2回程度なぞれば、十分に鼻の掃除ができます。
 
特に、風呂上がりには、鼻の粘膜がほぐされているので、簡単にきれいに掃除することができます。
 
ただ、綿棒を使った鼻掃除も、やり過ぎてしまうと粘膜を傷つけてしまうので、気をつけるようにしましょう。

鼻うがい

鼻掃除というと、「ほじる」ことを思い浮かべますが、鼻の中をきれいに掃除するには「鼻うがい」が一番良い方法だといわれます。
 
鼻の中を水で洗うのが「鼻うがい」です。
 
洗面器に温かい食塩水を入れて、一方の鼻を押さえながら、もう一方の鼻で食塩水を吸い込み、少し息を止めてから食塩水を出します。
 
ポイントは、「飲み込まないギリギリのところまで食塩水を吸い込む」ということです。
 
左右それぞれ2~3回繰り返すと、きれいに鼻掃除ができます。
 
鼻から水を吸い込むと「キーン」と感じることがありますが、それは真水を使うからで、温かい食塩水を使えば、それを避けることができます。

鼻うがいの際の注意点

鼻うがいの際、鼻の中に食塩水を入れたら、絶対につばを飲み込まないようにしましょう。
 
鼻うがいをの最中につばを飲み込むと、耳の方に食塩水が流れていってしまい、中耳炎になる危険性が高くなるといわれています。
 
また、鼻づまりが酷い場合は、鼻の中に食塩水が残ったまま鼻をかんで、炎症を起こす恐れがあるため、鼻づまりがひどい時には、鼻うがいは避けた方が良いともいわれています。
 
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鼻くその多くは、体内に侵入するのを阻止された空気中の浮遊物などの残骸です。
 
定期的に鼻掃除をして、鼻の中はいつも清潔に保つように心がけたいですね。