アレルギーを起こしやすい食べ物の種類/症状と対処

アレルギーを起こす食べ物

食物アレルギーは、小さい子供に症状が出やすく、日本では、乳児で約10%、3歳児で約5%、学童以降では1.3~4.5%程度が発症するといわれています。
 
子供が小さい時には、食物アレルギーを心配する親御さんも多いですが、食物アレルギーは、どんな食べ物を食べると引き起こされ、どんな症状が現れるのでしょうか。
 
また、アレルギー症状がでた時には、どのように対処すればいいのでしょうか。

食物アレルギー

食物によりアレルギー反応を起こすのが「食物アレルギー」ですが、食物アレルギーは食べ物を食べた時にだけ起こるというわけではありません。
 
生卵を触った手が腫れたり、そば粉を吸い込んで咳が止まらなくなったりするなど、食べ物を触ったり吸い込んだりしただけでも症状があらわれることがあるといわれています。

アレルギーの原因となる食べ物の種類

食物アレルギーがある人は、普段からアレルギーの原因となる食べ物に気をつけることが大切です。
 
消費者庁では、加工食品に食物アレルギーとなる原材料の表示を義務づけていますが、アレルギー表示には、「表示義務」があるものと、表示が推奨される「任意表示」のものの2種類があります。
 
「表示義務」があるものは、特定原材料の7品目で、過去のデータから、多くの人が発症して重症になりやすいと判断されたもので、
 
「任意表示」のものは、特定原材料に準ずる20品目で、アレルギーを起こす人はいるけれども、表示義務のあるものと比べると、発症する人は少なく重症にもなりにくいものです。
 
ただし、記載の義務はあくまでも加工食品に対してなので、レストランで提供される食品などについては、これらの表示の義務・推奨は適用されないので、食べ物が提供される場面によっては、原材料に何を使っているのかを慎重に確認することが必要になることもあります。

表示義務があるもの(特定原材料7品目)(7大アレルゲン)

・卵
・小麦
・乳
・えび
・かに
・そば
・落花生

任意表示のもの(特定原材料に準ずる20品目)

・あわび
・いか
・いくら
・オレンジ
・カシューナッツ
・キウイフルーツ
・牛肉
・豚肉
・鶏肉
・くるみ
・ごま
・さけ
・さば
・大豆
・バナナ
・まつたけ
・桃
・山芋
・りんご
・ゼラチン

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食物アレルギーの症状

アレルギーを起こす食べ物を食べてしまった時に、実際にどんな症状が出るのかを把握しておくことも大切です。
 
食物アレルギーの主な症状は、大きく次の5つに分けることができます。

皮膚の症状

食物アレルギーの症状の中で最も多く見られるのが、皮膚の症状だといわれます。

アレルギーの原因となるものを食べてしばらくすると、口の周りが赤くなって、次第に顔や体に広がっていきます。

じんましんのような症状や、皮膚の赤みが特徴とされます。

粘膜の症状

アレルギーの原因となるものを食べると、すぐに口の中がかゆくなり、のどがイガイガすることもあります。

また、鼻水が出てくることもあります。

消化器の症状

アレルギーの原因となるものを食べてしばらくすると、お腹が痛くなったり、嘔吐や下痢をするなどの症状がみられます。

消化器の症状は、何度も吐くような重症なケースでなければ、命に関わる可能性は低いといわれます。

呼吸器の症状

アレルギーの原因となるものを食べた後に、咳が止まらなくなることがあります。

症状が進むと、苦しくてゼーゼーすることもありますが、これは気管支が狭くなって、喘息と同じような症状が出ている状態だといわれます。

声がかすれてゼーゼーすることもありますが、この場合は、のどが狭くなっていて、クループ症候群(喉頭の周辺が炎症のために腫れる病気)と同じような症状が出ている状態です。

ショック症状

体が赤くなり、ぐったりして動かない状態です。

このようなショック状態の場合には、血圧が下がっていることがあるので要注意です。

血圧が下がると、頭に十分な血液や酸素が行き渡らなくなるので、非常に危険です。

「呼吸器の症状」「ショック症状」は特に注意が必要

皮膚の症状や粘膜の症状では、命に関わるというような可能性は低いですが、呼吸器の症状やショック症状がみられる場合は、危険な状態だといえます。
 
「ゼーゼー」「ぐったり」は、要注意ということを覚えておきましょう。
 
アレルギーの症状は、一つの症状だけが出るわけではなく、二つ以上の症状が同時に現れたり、立て続けに現れる場合も珍しくないといわれます。

2時間以内に症状が現れることが多い

多くの場合、食物アレルギーの原因になる食べ物を食べてから、概ね2時間以内に症状が現れるといわれています。
 
体調が悪いときや疲れているときなどは、食物アレルギーの症状が出やすくなるといわれているので、普段以上に注意が必要です。 

アレルギー症状が出た時の対処

食物アレルギーの症状は、原因となる食べ物を食べてから2時間以内に出てくる場合がほとんどですが、症状の出方、程度、症状が出るまでの時間などは、その時の体調によっても様々に変化するといわれています。
 
アレルギー症状が出てしまった時に冷静に対応できるように、日頃から心構えをしておくことも大切です。
 
アレルギー反応を起こす食べ物だとは気づかずに食べてしまった場合、食べた物が吐き出せるようであれば、すぐに吐き出してしまいます。
 
嘔吐などで吐き出してしまえば、大抵の場合はスッキリしますが、食べたものが残っていると、上記のような症状が現れてきます。
 
状態にもよりますが、症状が酷いようなら、すぐに病院に行くようにしましょう。

アレルギー症状が出た時の基本的な対処

・食べた直後なら、食べた物を吐かせる。(ただし、食べてから30分以上経っている場合は行わない。)
・症状の変化を注意深く観察する。
・処方されている薬がある場合には、必要に応じて使用する。
・症状が進行しないようなら、1時間程度は経過を観察して、後日医療機関を受診する。
・症状が進行したり、治まらない場合には、速やかに医療機関を受診する。

アナフィラキシーショックを起こした時の対処

血圧が下がる、意識を失うなどの「アナフィラキシーショック」の症状があらわれたときには、速やかに対応して、できるだけ早くアドレナリンを注射する必要があるとされています。
 
救急車を呼ぶなどして、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。

まとめ

どんな食べ物に対してアレルギー反応が出るのかは、病院で血液検査をすれば分かります。
 
就学前の子供なら、無料で検査が受けられる自治体も多いようです。
 
アレルギーと診断されると、食べ物には気をつけないといけなくなりますが、最近では、アレルギー表示もしっかりとされるようになってきていて、外食チェーン店などでは、アレルギー除外食品などのメニューも提供されるなど、対処もしやすくなってきています。
 
アレルギーの有無を把握しておくことで、より安心して食事を楽しむことができるようになります。