花粉症や風邪の代表的な症状に「鼻水」がありますが、鼻水にはサラサラした鼻水と、黄色っぽくてドロッとした鼻水があります。
鼻水には、早い段階で対処したいですが、そのためには、鼻水の出るメカニズムを知っておくことも大切です。
どうして鼻水が出るのかを理解していれば、より的確な対処ができるようになります。
鼻水
1日の鼻水の量は数リットル
花粉症や風邪でなくても、鼻水は、鼻で呼吸していると粘膜から分泌されていて、健康な状態の時でも1日に数リットルの鼻水が分泌されているといわれます。
鼻水には、加湿をしたり異物を排除したりする役割があるので、冷たい空気や汚い空気を吸うと、鼻水の分泌量はより多くなります。
花粉やホコリ、風邪のウィルスなどが入ってきた時にも鼻水はたくさん出ます。
サラサラの鼻水とドロドロの鼻水
鼻水には、透明でサラサラした鼻水と、黄色っぽくドロドロした鼻水があります。
花粉やほこりなどが原因になるアレルギー性の鼻水は透明でサラサラしていて、この鼻水の中には、アレルギーと関係が深い好酸球がたくさん含まれているといわれます。
好酸球は、寄生虫感染から体を守る免疫機能の役割がありますが、アレルギー性疾患における炎症の一因にもなるとされています。
一方、風邪を引いたときなどウィルスや細菌などに感染したときに出る鼻水は、ドロドロしていることが多いです。
風邪の場合は、最初は水っぽい鼻水ですが、時間が経つと熱や咳を伴うようになり、炎症がひどいときには鼻詰まりを起こすことも。
水っぽい鼻水が、次第に黄色っぽくなって粘り気がでてきて、ドロッとした鼻水になっていきますが、この鼻水の中にはウイルスや細菌を撃退する白血球が多く含まれているといわれます。
鼻水と咳
鼻水は、通常は鼻から外に出てきますが、風邪を引いたときなどは、ほおの内側にある副鼻腔の粘膜にも炎症が起こって、副鼻腔からも鼻水が分泌されて、のどの奥へ流れていくことも。
鼻水が、のどから気管支に流れ込むと咳が出やすくなります。
風邪を引いたとき、朝方に咳き込むことが多いのには、このことが関係しているといわれています。
鼻水と目やに
風邪を引くと、目やにがたくさん出ることがあります。
涙は、目の表面から常に分泌されていて、鼻へ通じる細い管を通って鼻腔へ出て行きますが、風邪を引いて鼻水が多くなったり鼻詰まりになったりすると、この管の通りが悪くなってしまい、溜まった涙が「目やに」になるといわれます。
風邪を引いたときに涙目になって、朝起きた時に、目やにのために目が開けられないことがあるのはこのためです。
鼻水が出るときの対処
鼻水が出る時には、その原因が風邪なのか花粉症なのかで対処の仕方も変わります。
風邪のように、ウィルスや細菌などの感染が原因の鼻水なら、体がウィルスや細菌を体の外へ排除しようとして鼻水を出しているので、無理に止めようとするのは良い対処とはいえず、むしろ鼻水を出してしまうことが大切だともいわれます。
市販の鼻水吸引器などを使うのもいいかもしれません。
一方、花粉症のようなアレルギー性の鼻水は、免疫系が過剰に刺激されることで出てくるので、花粉やほこりなどのアレルギーの原因となる物質が体の中に入ってこないように、マスクをしたり手洗いをしたりして、しっかりと防ぐことが大切です。
症状が酷い場合には、アレルギー反応を抑える薬で対処することも必要かもしれません。
鼻水を止める方法
かんでもかんでも出てくる鼻水は、やはり辛いです。
そんな辛い鼻水を、薬を使わずに止める方法をいくつか紹介します。
鼻うがい
鼻うがいは、うがいをするように鼻の中を洗い流す方法で、粘り気のある鼻水や、花粉やほこりなどのアレルギー物質を取り除く効果があるといわれています。
また、鼻うがいは、鼻水を止めるだけではなく風邪や花粉症の予防にもなるともいわれます。
風邪のウィルスや花粉などが付着しやすいのは、鼻の奥の上咽頭と呼ばれる部分だといわれます。
一般的なうがいでは上咽頭を洗い流すことはできませんが、「鼻うがい」なら上咽頭までしっかりと洗い流すことができるので、風邪予防や花粉症対策に効果的といわれています。
鼻うがいの方法
1.一度沸騰させたぬるま湯で0.9%の食塩水をつくる。(1リットルのぬるま湯に対して9gの食塩を溶かす。)
2.洗面器(またはコップ)に0.9%の食塩水を入れる。
3.片方の鼻を指で押さえ、もう片方の鼻から食塩水を吸い込む。このとき食塩水を飲み込まないように。
4.洗面器から顔をはずし、吸った方の鼻から食塩水を出す。
5.もう一方の鼻でも、3・4を行う。
※慣れてきたら、口から食塩水を出すようにするといいようです。
ツボを押す
鼻の両側には、鼻水や鼻づまりに効果的とされる「ツボ」があるといわれます。
鼻の付け根の両わき(目頭のわき)にある「晴明(せいめい)」というツボと、鼻の左右のふくらみのわきにある「迎香(げいこう)」というツボです。
晴明を親指と人差し指で押すようにもんだり、迎香を鼻の両わきから挟むようにゆっくり押し当てたりします。
また、鼻筋の両側を「晴明」から「迎香」まで上下にさするのも効果があるとされています。
ゆっくりと水を飲む
普通に水を飲むのではなく、水を口に入れてしばらく含んだままにしてから飲み込みます。
水を口に含んだままの状態にすることによって、鼻に流れていく水分(鼻水)が水を含んでいる口の方に流れやすくなるのだといいます。
鼻水が流れていく方向を変えることで、鼻水を軽減するというわけです。
蒸しタオルを鼻にあてる
花粉症や風邪で鼻水がつらい時でも、風呂に入ると症状が軽減することが多いです。
花粉症や風邪を引いている時、体は粘膜を腫らして空気の通り道を狭くすることで異物が体内に侵入してくるのを阻止しながら、同時にくしゃみや鼻水で異物を体外へ追い出そうとします。
風呂に入ると、高い湿度によって空気中のウィルスや花粉は激減し、同じく湿度によって鼻の粘膜に付着したウィルスや花粉を洗い流す作用が働くため、鼻水の症状が軽減されるといわれます。
蒸しタオルを鼻にあてて、風呂場に近い状況をつくることで、鼻水の症状を軽減させるというわけです。
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鼻水が気になって仕事が手につかないということもありますが、そんな時には上記の方法を試してみることで、少しは楽になるかもしれません。
ただ、どの方法も、一時的に鼻水の症状を緩和するだけで、根本的な治療になっているわけではないので、鼻水の根本的な治療をするには、やはり病院に行くのが最良の方法といえそうです。