生あくびが出る原因は?そのあくびは病気のサインかも!

あくびをする人

あくびは、眠くなった時などに出る生理現象ですが、眠気を感じた時に思い切りあくびをすると、少しスッとした気分になったりします。
 
眠くなった時に出るあくびではなく、そんなに眠くもないのに、繰り返して出るようなあくびは「生あくび」と呼ばれますが、生あくびの場合は、不快感が伴うことも多いです。
 
これらのあくびが出る原因には、どんなものがあるのでしょうか。

眠い時のあくびと生あくび

眠い時のあくび

脳が酸欠状態のようになって働きが鈍くなり、眠気を感じた時に反射的に出るのが「眠い時のあくび」です。
 
眠気が強い時のあくびは、思わず「アァ~」と声を出したくなりますが、これは、大きく口を開けて深く空気を吸い込んだ後に一気に息を吐き出すからです。
 
あくびをして多くの酸素を取り込むことで、脳の働きを活性化させていると考えられています。
 
また、あくびで大きく口を開くことで、あごの筋肉が刺激されて、脳に刺激が与えられるということもわかってきています。
 
会議中や授業中など、あくびをしたくてもしにくい場面もありますが、我慢せずに思いっきりあくびをした方が、脳をリフレッシュさせて、以降の会議や授業により集中しやすくなります。
 
同時に、腕や背筋を伸ばすことができれば、体の緊張もほぐすことができますね。

あくびのリラックス効果

新鮮な空気をたくさん吸い込んで脳の働きを活性化させる「あくび」は、副交感神経を優位にする働きもあるといわれています。
 
副交感神経は「リラックス神経」とも呼ばれますが、脈を安定させたり血圧を下げたりして、体を休息状態に導いてくれます。

生あくび

一方、眠気もないのに出るあくびが「生あくび」です。
 
緊張、ストレス、疲れ、睡眠障害などが原因で、体や脳が相当に疲れている時に出るのが「生あくび」だといわれます。
 
何らかの不快感が伴っていて、それを解消しようとして強制的に出ているような感じがあって、生あくびをしても、リフレッシュ感を感じることは少ないです。
 
温度や酸素の濃度など、部屋の環境が関係している場合もあるので、窓を開けて換気をしたり、部屋を出て深呼吸などしてみると、生あくびが治まることもありますが、脳梗塞、脳腫瘍、脳出血、心筋梗塞、睡眠不足症候群、低血糖などの病気の症状として出ることもあります。
 
また、片頭痛乗り物酔いの前兆に「生あくび」が出ることもあります。
 
眠い時のあくびは、何かに一生懸命取り組んでいて、交感神経が優位になっているときに出ることはほとんどなく、眠かったり疲れたりしていて、副交感神経が優位な時に出やすくなります。
 
一方の生あくびは、緊張していたり具合が悪かったりする時に出るあくびで、体に異変が起こっていることに対する警告のサインということができます。

生あくびと病気

生あくびの主な原因は、緊張や疲れやなど考えられていますが、まれに、生あくびが何らかの病気の兆候である場合があります。

脳の病気、心臓の病気

脳梗塞、脳腫瘍、脳出血などの脳の病気では、脳への血流量が少なくなります。
 
酸素を運んでいる血流量が減ると、脳が酸欠の状態になるので、あくびをして大きく息を吸い込んで、たくさんの酸素を取り込み、意識レベルを保とうとします。
 
この時に出るあくびが「生あくび」です。
 
心筋梗塞などの心臓の病気でも、同じようなことが起こることがあります。
 
意識のレベルが低くなってあくびをしている人は、脳や心臓などの急病の可能性があるので、迅速な対応が必要になります。

睡眠不足症候群

無呼吸症候群などで睡眠障害がある場合には、自分では眠っているつもりでも、睡眠不足の状態になっていて、体が休めていないので、昼間に連続して生あくびが出ることが多くなります。
 
睡眠がかなり不足しているのに、自分ではそれを自覚していない状態は「睡眠不足症候群」と呼ばれますが、この状態になると、眠気をあまり感じなくなって、あくびがよく出るようになるといわれています。

低血糖

低血糖の状態になると、あくびがよく出るようになります。
 
脳のエネルギー源がブドウ糖なので、低血糖の状態になると、脳の働きが低下して、酷い場合には意識がなくなることもあるといわれています。
 
あくびをして覚醒度を高くし、ブドウ糖の補給を促すとされています。

片頭痛の前兆

片頭痛の前兆としても、あくびが出ることがあるといわれています。
 
片頭痛は、脳の血管が拡張して、周囲の三叉神経の刺激がさらに血管を拡張して起きるとされていますが、片頭痛が起きる前に、よくあくびが出るのは、脳の血管に酸素を取り入れるために、血管が拡張するためだといわれています。

乗り物酔いの前兆

乗り物に乗っているに生あくびがよく出るのは、乗り物酔いの兆候です。
 
めまい、ふわふわ感、冷や汗などの症状が伴えば、ほぼ確実に乗り物酔いになっています。

まとめ

眠い時のあくびは、新鮮な空気を脳に送り込んで脳の働きを活性化したり、副交感神経を優位にして体を休息状態に導いてくれたりします。
 
一方の生あくびは、極端に疲れていたり、緊張やストレスにさらされていたり、さまざまな病気のサインだったりと、体に良くないことに対する警告のサインということもできます。
 
生あくびが毎日繰り返して出る、場所を変えても生あくびが治まらない、というようなことが続くようなら、専門医に診てもらった方がいいでしょう。
 
特に、めまい、頭痛、吐き気など、ほかの症状を伴う場合は要注意です。