卵を電子レンジでチンすると「爆発卵」に!その理由は?

電子レンジの取扱説明書には、必ずといっていいほど、「卵を殻のついたまま温めないでください。」という注意書きが書かれています。

殻のついたままの卵を電子レンジで温めると、破裂して「爆発卵」になってしまうことがあるからです。

どうして、電子レンジで卵を温めると、破裂してしまうのでしょう。

爆発卵

卵の「黄身」と「白身」とでは、「固まる温度」に差があります。

「温泉卵」を思い浮かべてみると、分かりやすいかもしれませが、「黄身」は「白身」よりも低い温度で固まります。

具体的にいうと、
「黄身」は「65~70℃程度」で完全に固まりますが、
「白身」は「62~65℃」で固まり始めて、完全に固まるのは「80℃前後」だといわれています。

「電子レンジ」で「卵」を温めていくと、内側にある「黄身」が先に固まって「熱膨張」していき、「白身」と「殻」を押し破り、その結果、外気に触れることになります。

外気に触れる前は、「黄身」は「白身」と「殻」に包まれて外気よりも高圧となって、沸点が高くなっていますが、
外気に触れると、急激に減圧が起こって沸点が下がり、「黄身」に含まれていた水分が一気に蒸気化して「水蒸気爆発」が起こるといわれます。

電子レンジ内では卵が破裂しなくても、白身に包まれた「黄身の内部」には「100℃を超えても沸騰しない水分」が残っているとされているので、卵の殻をむいたり口に運んだりしたタイミングで外気に触れて、「爆発」を起こすことがあるといわれています。

このような「ゆで卵」は、俗に「爆発卵」と呼ばれています。

「鍋」か「専用の調理器具」でゆでる

電子レンジで卵を温める場合、「解凍モード」でゆっくりと加熱したり、「水の入った容器」に入れてゆっくりと温めたりすれば大丈夫だといわれたりもしますが、これも100%安全ということはないようです。

「ゆで卵」を作る場合には、「鍋」にお湯を入れて作るか、「専用の調理器具」を使うのが安全だといわれます。

ちなみに、殻がついたままの「銀杏」や「栗」、薄い膜で覆われている「イカ」や「ソーセージ」などを電子レンジで調理する場合も、同じようなことが起こる可能性があるといわれているので、これらの食品を電子レンジで調理する場合は、「殻」や「膜」に「切れ込み」を入れるなどして、「蒸気を逃がす」ようにしておくことが重要だといえそうです。