アメリカで「カルピス」が「カルピコ」と呼ばれている理由は?

さわやかな味わいの清涼飲料水「カルピス」は、日本では誰もが知っている、おいしい飲み物です。

この「カルピス」、アメリカなど英語圏のいくつかの国では、「カルピコ(Calpico)」という名称で売られています。

「カルピス」は、「カルシウム」の「カル」とサンスクリット語で「最上の味」を意味する「サルピス」の「ピス」を組み合わせて作られた名称とされています。

この「最上」という意味合いをもつ「ピス」が、アメリカなどでは「ピコ」に変わっているというわけです。

どうして「カルピス」ではなくて、「カルピコ」という呼び方になっているのでしょう。

「カルピス」=「牛のオシッコ」?

英語を話す人たちに「カルピス」というと、「カウピス(cow piss)」と聞えてしまうのだといいます。

英語で「カルピス」というと、「カル」の「ル」の部分が無声音に近くなって「cow」のように聞こえ、「cow piss」と聞こえやすいとのこと。

英語で「piss」は、「オシッコ」という意味があります。

つまり、「cow piss」「牛のオシッコ」ということになります。

「清涼飲料水の名称」としては、これ以上にはないというくらいに「不適切な名称」といえます。

日本でも「牛のオシッコ」という「清涼飲料水」があったとしたら、まず売れることはないでしょう。

このため、「カルピス」ではなく「カルピコ」という名称になっているというわけです。

カルピスは、世界30ヶ国以上で販売されているといわれますが、英語がよく使われる「アメリカ」「カナダ」「インドネシア」などでは、「カルピコ」として販売されています。

「ポカリスエット」も違った意味に

欧米の人たちには、「ポカリスエット」も不気味な名称に聞こえるようです。

「ポカリ(Pocari)」は、欧米では意味がないので問題ありませんが、「スエット(sweat)」は「汗」という意味です。

日本人にとっては、スポーツなどで「汗」を流した後の「水分補給」にピッタリの飲み物というイメージですが、欧米の人たちには「汗を飲む」というようにも感じるようです。

ちなみに、「ポカリスエット」は欧米では販売されていないといいます。

日本人にとっては「いいネーミング」だったとしても、言語の異なる外国では「とんでもない意味」になってしまうということもあるようです。