「大根サラダ」や「大根の煮物」などの料理は、そんなに辛いと感じることはありませんが、「大根おろし」にすると、ピリッとした「辛さ」を感じることがよくあります。
どうして「大根おろし」にすると、辛く感じるようになるのでしょう。
大根おろしの「辛さ」
大根をおろすと、細胞が壊されて、「イソチオシアネート」という「辛みの成分」が出てくるといわれます。
イソチオシアネートは、「おろす前の大根」では、糖と結合しているので、そんなに辛くはありませんが、「大根をおろす」と、その結合が切れるので、辛く感じるようになるといわれます。
普通に包丁で大根を切っただけでは、そんなに細胞が壊されないので、あまり辛くはならないですが、「大根おろし」にすると、多くの細胞が壊されて、大量のイソチオシアネートが出てくるので、「辛みが強くなる」というわけです。
「ワサビ」も、おろすと辛くなりますが、これも、同じような原理だといわれています。
この辛味の成分の「イソチオシアネート」は、「健康に良い」とされていて、「大根おろしに医者いらず」という言葉もあります。
また、「大根おろしは、二日酔いに効く」「大根おろしの汁で口をすすぐと、口内炎に効く」などといわれたりもします。
「辛さ」は、大根の自己防衛
自然の中にある大根が、細胞を壊される多くは、「動物」や「虫」などに、かじられたときだといわれます。
大根は、自分が食べられないように、「辛み」を出して、食べられるのを防いでいるともいわれています。
大根が「辛み」を出すのは、食べられないための、大根の「自己防衛策」といえるのかもしれません。
大根おろしの「辛さ」を抑える
大根を細かく切って、細胞をたくさん壊せば、そけだけ、辛みも増すことになるので、「大根おろし」にすると、辛くなるのは、ある程度仕方のないことといえます。
大根おろしの辛みが、一番強くなるのは、おろしてから7~8分後で、それ以降は、辛みの成分が蒸発していくので、辛みは、次第に引いていくといわれています。
大根の辛みは、抜けるスピードが、比較的速く、おろしてから20分も経てば、辛みは抜けきってしまうといわれています。
また、大根は、部位によっても「辛さ」が違っていて、
「葉に近い部分」は辛みが強くなく、
「先端に近い部分」ほど辛みが強い
といわれているので、辛いのが苦手な場合は、「葉に近い部分」を使うようにするといいかもしれません。
「先端部分」は、「葉に近い部分」の10倍も辛いことがあるといわれています。
大根おろしの「辛さ」は、時間をおいたり、軽くレンジであたためたりすれば、抜けていきます。
さらに、大根は「皮に近い部分」が辛いといわれているので、皮を厚めにむいて「大根の中心部分」を使うことでも、辛さを抑えることができます。
厚くむいた皮は、大根のきんぴらなどにすれば、ムダなく使えますが、このきんぴらが、結構美味しいです。
ちなみに、大根は、
葉に近い上の部分は「大根おろし」や「サラダ」などの生食に、
中央部分は「煮物」や「おでん」に、
先端の部分は「みそ汁の具」や「漬けもの」などに
向いているといわれています。
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大根おろしの辛さは、「おろす部分」や「おろしてからの時間」などで変わってきます。
辛さの好みに応じて、うまく使い分けしたいですね。