ダイエットを成功させるための食事/食べ方・メニュー・食べる時間

ダイエット中の食事

世の中には、いろいろなダイエット法がありますが、ダイエットを成功させるための一番のポイントは「食事」にあるといわれます。

食事をうまくコントロールできるかどうかが、ダイエット成功のカギを握っているといっても、過言ではないかもしれません。

どのような食事が、ダイエットに効果的なのかを判断するためには、ダイエットをして「痩せる」ということがどういうことなのかということを理解しておくことが、とても大切です。

「痩せる」とは

痩せるかどうかは、「カロリーの収支バランス」にかかっています。

人は、生きていくためにエネルギーを消費しています。

心臓を動かしたり、体温を維持したり、身体を動かして活動したりする際にエネルギーを使いますが、このエネルギー量が「消費カロリー」です。

この消費カロリーを得るために、人は、食べ物を食べることによって、エネルギーを摂取しますが、このエネルギー量が「摂取カロリー」です。

人の身体が、太るか痩せるかは、この「消費カロリー」と「摂取カロリー」のバランスによって決まるといわれます。

摂取カロリーの方が大きければ太り、消費カロリーの方が大きければ痩せるというわけです。

ダイエットの際には、食事の量を減らして摂取カロリーを抑えることが重要になるのは、このためです。

摂取カロリーが消費カロリーよりも少なければ、不足するエネルギーは、身体に溜まっている脂肪を分解することで補っていくことになりますが、身体が脂肪をうまく分解できるかどうかは、食事の内容や食べ方などによっても変わってきます。

同じように体重を減らす場合でも、筋肉量を減らさないようにして、脂肪を減らしていくようにすることが、とても重要になります。

ダイエットと栄養

摂取カロリーを減らしても、栄養バランスが悪いと、脂肪は効率よく分解されません。

例えば、摂取カロリーはしっかり減らしたとしても、野菜を食べる量が少なくて、ビタミンやミネラルが不足している場合には、脂肪は効率よく分解されないといわれます。

脂肪が分解されるためには、十分なビタミンが必要だからです。

また、肉や魚を減らしすぎて、タンパク質が不足してしまうと、筋肉が落ちやすくなってしまいます。

体重が減ったとしても、それは脂肪が減って痩せたのではなく、筋肉が落ちて痩せていることもあります。

さらには、極端に食事量を減らし過ぎると、身体が完全な飢餓モードに入ってしまい、基礎代謝が大幅にダウンしてしまうことで、かえって脂肪が分解されにくくなってしまうというようなこともあります。

上手にダイエットを進めていくためには、摂取カロリーを減らすことだけを気にするのではなく、摂取する栄養の種類にも気を配ることが大切になるというわけです。

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目標の摂取カロリー

ダイエット中の食事では、摂取カロリーを気にする必要がありますが、カロリーオーバーは絶対にNGです。

摂取する栄養の種類に気を配ることは大切なことですが、それは、摂取カロリーを抑えるということが大前提になります。

1日に消費するエネルギーは、その人の体格、生活スタイルなどによって、それぞれの人で異なりますが、平均すると、

男性:2,200kcal程度
女性:1,700kcal程度

といわれています。

この程度のカロリーを食事から摂取していれば、太ることもなく、痩せることもないというわけです。

痩せたいときには、これよりもカロリーを減らす必要がありますが、ダイエットの際の目標摂取カロリーの目安を、基礎代謝のカロリーとすることがよくあります。

基礎代謝についても個人差がありますが、平均すると、

男性:1,700kcal程度
女性:1,200kcal程度

といわれています。

基礎代謝に必要なだけのカロリーを食事から摂取した場合には、不足分の約500kcalがすべて脂肪を分解することで得られるとすれば、計算上は、1ヵ月で約2kgの脂肪が減少する(痩せる)ことになります。

3ヵ月後には6kg、6ヵ月後には12kg痩せるペースになります。

これに、運動など加えることで、さらにペースアップをすることも可能になります。

ただ、ダイエットには、カロリーだけではなく、摂取する栄養バランスも重要になります。

栄養バランスの良い食事

健康のためには、いろいろな食材をバランスよく食べるのが良いといわれますが、ダイエット中の食事にも、同じことがいえます。

カロリーは抑えるけれども、いろいろな食材をバランスよく食べるということです。

豊富な食材を使った「大きな食事」から、豊富な食材を使った「小さな食事」に変えていくということをイメージするといいかもしれません。

一般的に、食事で摂取する三大栄養素の良いバランスは、

「糖質(炭水化物):脂質:たんぱく質 = 60:25:15」

とされています。

しかし、ダイエット時には、「たんぱく質を多めに摂取すると良い」とされているので、たんぱく質の割合をもう少し高めにして

「糖質(炭水化物):脂質:たんぱく質 = 60:2020

程度を目安にすると良いといわれています。

三大栄養素に加えて、ビタミン、ミネラル、食物繊維なども十分にとる必要がありますが、そうなってくると、実際にどんな食事をすればいいのか、イメージしづらくなってしまいます。

毎回毎回、栄養素のことを細かく考えて食事をするわけにもいきません。

こんな時には、ダイエット食の優等生といわれる、和食の「一汁一飯三菜」の献立をイメージすると分かりやすいです。

一汁一飯三菜:和食の献立

旅館の朝食に出てくる和食が、典型的な「一汁一飯三菜」のメニューになっています。

主食:ご飯
汁物:味噌汁
主菜:焼き魚、卵料理など
副菜:サラダ、野菜の煮物、海藻類、きのこ類など
副々菜:酢の物、漬物など

この「一汁一飯三菜」の和食メニューは、ダイエットにも、美容にも、そしてアンチエイジングにも、理想的な献立とされています。

「一汁一飯三菜」の献立は、自然に栄養のバランスが整いやすいメニューです。

【主食】エネルギー源となる糖質を補給します。白米、パン、麺類ということになりますが、玄米、胚芽米、雑穀米などを増やすと、更に良いといわれます。

【汁物】味噌汁、スープなど。塩分のとり過ぎにならないように、その都度、いろんな具を入れる工夫を。

【主菜】主にタンパク質や脂質などを補給します。大豆製品などの植物性タンパク質を含んだ食材を多く使うように心がけ、動物性タンパク質は魚類を主にし、肉類は控えめにして、脂分の少ないモモやヒレなどの赤身の部位を使うように。

【副菜】主にビタミン、ミネラル、食物繊維などを補給します。ダイエットでは、この副菜が結構重要になります。野菜、海藻類、きのこ類、小魚などを使った献立の工夫を。

【副々菜】酢の物、漬物など。酵素食品や発酵食品などを意識して。

食事の食べ方

ダイエットでは、食事の内容だけではなく、食事の食べ方も重要なポイントになるといわれます。

同じ食事を食べるのでも、食べる順番を変えるだけで、太りにくくなるということがあります。

例えば、最初に野菜を食べることで、食物繊維の働きによって、その後、ご飯などを食べた時の血糖値の上がり方を緩やかにすることができます。

血糖値の上がり方が緩やかになることで、同じものを食べても太りにくくなるというわけです。

生野菜を最初に食べる

食事の際には、まず最初に、生野菜を食べるようにすると良いといわれます。

ドレッシングやマヨネーズなどの高カロリーのものを使うのは、気をつけないといけませんが、酵素食を意識して味噌などをつけて食べるのは、全然OKです。

盛り付けによく使われる「キャベツ」は、オススメの食材です。

キャベツでなくても、レタス、トマト、大根、きゅうり、白菜、セロリなど、何でもOKですが、野菜はできるだけ大きく切って、よく噛んで食べるようにすると良いといわれます。

水や汁物を飲みながら、5~10分くらい、ゆっくりと時間をかけて食べるようにするといいです。

一旦休憩

野菜を食べ終わったら、一旦箸を置いて休憩。

その間に、結構お腹が膨れてくるのが感じられようになってきます。

その後は、いつものとおり食べていきます。

ゆっくりよく噛んで食べる

食事は、ゆっくりとよく噛んで、時間をかけて食べるように。

食べたことによって、脳の満腹中枢が刺激されるまでには、20~30分程度の時間が必要になるといわれます。

早食いの人は、満腹感を感じる前にたくさん食べてしまうので、満腹感を感じる頃には、すでに食べ過ぎの状態になっていることが多いといわれます。

このことが、早食いの人が太りやすい大きな理由の一つとされています。

噛むことも満腹中枢を刺激しますが、早食いの人は噛む回数も少ないので、この点でも、満腹感を感じにくくなっているといわれます。

目標は、一口で30回以上噛むこと。

ゆっくりよく噛んで食べることで、少量の食事でも、満腹感を感じやすくなります。

昼はしっかり食べて、夜は軽めに

夜型の生活リズムの人が増えてきて、夜遅い時間に食事をする人も増えているようですが、夜遅い時間に食べることは、身体にとって良いことではありません。

人間の自律神経は、日中、活発に活動している時には、交感神経が優位になって、脈拍を速めたり消化液の分泌を促したりして、エネルギーの生産と消費を活発にし、身体が活動的になるように働くとされています。

一方、夜になると、副交感神経が優位になり、脈拍を抑えたり身体がリラックスした状態になるようにして、身体を休めるように働き、エネルギーを消費するよりも貯蔵する方向に働くようになるといわれます。

このため、同じものを同じ量だけ食べても、昼間はエネルギーとして使われやすいですが、夜には脂肪として蓄積されやすくなるというわけです。

1日に摂取する半分以上のエネルギーを夕食で摂取するのは、「夜食症候群」と呼ばれますが、夕食で多くのエネルギーを摂取するような食べ方をしていると、太りやすい体質になってしまうといわれます。

また、夜遅くまで起きていると、つい食べ物を口にしてしまうので、生活スタイルも、できれば「夜型」から「朝型」に変えていった方がいいかもしれません。

就寝前の3時間は食べ物を口にしない

できるだけ、就寝時間の3時間前以降は、食べ物を口にしないようにすることが、一つのポイントです。

副交感神経が優位になっている遅い時間に食べてしまうと、脂肪が蓄積されやすく、太りやすくなってしまうからです。

夕食がどうしても遅くなってしまう場合は、夕方のうちに軽く何かを食べておいて、夜は少量にするなど、できるだけ遅い時間のカロリー摂取を抑えるような工夫をすることも大切です。

夜更しをして、つい食べてしまうという人は、朝型の生活スタイルに変えるのが、一番の対策になるかもしれません。

エネルギーを消費しやすい時間帯に積極的に活動して、夜は早めに就寝することは、健康に良いのはもちろんですが、ダイエットという視点からも、太りにくく痩せやすい生活スタイルということができそうです。

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ダイエットには水分補給も大切

水分をきちんと補給することも、ダイエットには大切なことです。

人間の身体からは、1日に約2.5リットルの水分が失われるといわれていますが、体内の水分が不足すると、代謝が停滞してしまって、ダイエットの妨げになってしまうこともあるといわれます。

身体の水分が足りなくなると、のどが渇きますが、この時には、すでに水分が不足した状態になっているので、水分補給は、のどが渇く前に行う必要があります。

水分補給の基本は、のどが渇かないうちに、少しずつこまめに水分を補給するということです。

一度にたくさん飲むのはNG

一度にたくさんの水を飲むと、水分過剰で低ナトリウム血症になってしまうことがあります。

いわゆる「水中毒」と呼ばれるものですが、血液が薄まってしまって、疲労感を感じたり、頭痛や嘔吐が起こることもあるといわれます。

一度に飲む水分の量は、多くても200~250ml程度で。

水分補給は「少量をこまめに飲む」というのが基本になります。

油脂分のとり過ぎは要注意

肉料理や揚げ物など、油脂分が多い料理が好きな人も多いです。

同じ肉でも、赤身の肉より霜降り肉の方が美味しいと感じる人も多いですが、これは、油脂分に料理を美味しくする効果があるからだといわれています。

油脂分が美味しく感じることが、「油脂分の摂りすぎ」につながる大きな要因になっているといわれます。

しかし、脂肪は1g=9kcalとカロリーが高く、糖質やタンパク質の1g=4kcalに比べて、2倍以上のカロリーがあります。

中でも、動物性脂肪(飽和脂肪酸)は、悪玉コレステロール(LDL)が増加しやすいので、摂取量には十分注意する必要があります。

スーパー、コンビニ、外食を利用することが多い人、洋食や丼物をよく食べる人、家庭であまり料理をつくらない人は、知らず知らずのうちに脂肪分を多くとっていることが多いようです。

外食やスーパーなどで売られている惣菜は、ヘルシーさよりも美味しさが優先されるので、家庭でつくる料理よりも、多くの油脂分が含まれていることが多いです。

また、家庭でも、油を使う料理や肉料理などが多い場合は、脂質が多くなっている可能性があります。

パンにバターやマーガリンをたっぷり塗ったり、サラダにドレッシングやマヨネーズをたっぷりかけたりするのも、要注意です。

油の多い料理を減らす

・外食したり、惣菜を買って食べる回数を減らす。
・油ものは、1回の食事で1品以下に抑える。
・揚げ物は、週1~2回に抑える。

油の種類を考える

・脂身の多いロースやバラの部位はなるべく避けて、ヒレやモモなどの赤身の部位にする。
・脂分が多い牛より豚、豚より鶏肉を使うようにする。
・脂分が多い国産肉より輸入肉を使うようにする。

調理の方法を工夫する

・吸油率を低くするため、揚げ物の衣はなるべく薄く、素材は大きめにする。
・吸油率を低くするため、低温よりも高温の油で短時間で調理する。
・テフロン加工のフライパンを使用するなどして、使用する油の量を少なくする。
・油が吸着しないように、水気をよくきって短時間で炒める。
・ゆでる、蒸す、焼くなど、脂肪分を落としやすい調理法で調理する。
・マヨネーズやドレッシングなどは油分が少ないものを選ぶ。

ダイエット中の脂質の摂取量は、男性で25~35g、女性で20~25gくらいに抑えるのが良いとされています。

脂質の摂取量は、ついつい増えてしまいがちですが、意識して摂取量を抑えるように心がけたいです。

甘い物の食べ過ぎに注意する

ついつい食べてしまう「甘い物」。

「甘い物」といえば砂糖ですが、砂糖の摂り過ぎは、ダイエットはもちろん、身体にも悪影響を及ぼすことが多いといわれています。

砂糖は、構造が単純なので、吸収されやすいという性質があり、摂取することで血糖値が急速に上がり、大量のインスリンが分泌されるので太りやすくなるといわれます。

その後、血糖値が急激に下がるので、すぐにお腹がすいてしまうことも、ダイエットにとってはマイナスの影響となってしまいます。

また、糖質は、消化吸収の際にはビタミンを必要としますが、砂糖は、糖質以外の栄養素を全く含まない「エンプティー食品」なので、体内のビタミンなどを使うことになります。

体内のビタミンが奪われることも、肥満になりやすくなる原因の一つになるといわれます。

胃や腸に残った糖分は、悪玉菌やウィルスの餌になって、シミやシワなど、美容面でも悪影響を及ぼすことにもなりかねません。

砂糖は、身体に良くないことが多い食品ですが、糖分には強い依存性があるため、なかなかやめることができないといわれます。

少しずつ甘い物を減らしていく

甘い物が好きな人は、「1日の適正カロリーの範囲内での摂取量を決める」ようにするといいかもしれません。

甘い物は一切食べないと決めてしまうと、ストレスを感じて逆効果になってしまうことも少なくありません。

甘い物を食べたときには、幸せを感じたりしますが、これは、セロトニンというホルモンが分泌されるからといわれます。

このことが、甘い物(=砂糖)への依存を高める大きな要因になっているので、徐々に減らしていくようにするのが良いです。

また、「甘い物の種類を変えていく」というのも、良い方法です。

菓子類を食べるのではなく、食物繊維やビタミンも含まれている「ドライフルーツ」などをおやつにするなどの工夫をするといいかもしれません。

さらには、「食べ物に関する環境を変える工夫をする」というのも良い方法です。

食べ物を目の前にして我慢するのはつらいですが、食べ物がなければ、食べたいという誘惑にかられることも少なくなります。

買い置きをしない、目の届かないところに保管するなど、食べ物に関する環境を変えることも、甘い物の摂取量を減らしていくのには、効果的になります。

まとめ

ダイエットのためとはいえ、食事の習慣を急に変えることは、難しいです。

「栄養バランスを考える」「食事の量を減らす」「ゆっくりよく噛んで食べる」「外食を控える」など、急に変えようとしても、簡単にはできないかもしれません。

しかし、せっかくダイエットすると決心したら、是非最後までやり遂げたいです。

ダイエットのために始めた食事のスタイルは、これからの健康にとっても、きっと良い影響をもたらしてくれるはずです。