体温計の表示が「42度」までしかない怖い理由とは?

「体温計」といえば、最近では「デジタル式」のものが多くなっていますが、少し前までは、ガラス製の「水銀体温計」が一般的でした。

この水銀体温計の目盛りは、どれも「42度」までしか表記がありません。

「もし、42度以上の熱がでたら測れなくなってしまう」と考えてしまうかもしれませんが、そんなことは、心配する必要がありませんでした。

高温で固まる「タンパク質」

体温計の目盛りが、42度までしかないのには、科学的な根拠がありました。

健康な人の体温は、36度前後というのが一般的です。

体内に「ウィルス」や「細菌」が侵入してくると、これらと戦うために、体が熱を出しますが、この熱は、どこまでも上がり続けるというわけではありません。

例えば、「卵」は、生の状態では、「黄身」も「白身」もドロッとした、液体のような状態ですが、
卵に熱を加えていくと、次第に固くなっていき、最後には、殻を割っても形が崩れない「ゆで卵」の状態になります。

「ゆで卵」は、卵のタンパク質が固まった状態といえます。

人間の体をつくっているのも「タンパク質」なので、体温が、ある温度以上になると、人の体も、ゆで卵のように固まってしまうといわれます。

体温が42度以上で、人は死に至る

人間は、体温が39度以上になると、思考力に支障をきたすようになり、熱が脳に影響して、意識がもうろうとし始めるといわれます。

さらに、体温が40度以上になると、脳が正常な活動ができなくなり、各臓器にも影響を及ぼし始め、
体温が42度以上になると、体を構成している細胞のタンパク質が固まってしまい「死に至る」とされます。

「ゆで卵」がもとの「生卵」の状態に戻らないように、人間の細胞も、一度固まってしまったら、どんなに冷やしても、元に戻ることはないといわれます。

体温計に42度以上の目盛りをつけることは、人間として、そもそも、そういう状態があり得ないので、意味がないということだったのです。

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