片頭痛のある人は、環境の変化に敏感なことが多いので、外出先の環境に脳が過剰に反応して、片頭痛を起こしてしまうことがあります。
片頭痛を起こしやすいのは、「強い光」「きついにおい」「大きな音」「人ごみ」「気圧の変化」などが生じるような場所だといわれています。
しかし、片頭痛が起こるかもしれないという不安から、外出するのを極端に制限してしまうのも、良いことではありません。
普段の環境から離れて、楽しい時間を過ごすことで、たまったストレスを発散させることもできます。
自分が片頭痛を起こしやすい場所はどんなところで、片頭痛を起こさない環境の変化とはどの程度なのかを把握しておけば、対策も立てやすくなり、外出もしやすくなります。
片頭痛を起こしやすい場所と対策
片頭痛を起こしやすい場所には、「温泉」「展望台」「山」「海」「雪山」「映画館」「カラオケボックス」「化粧品売り場」「デパ地下」などが挙げられます。
温泉
休日にリフレッシュするため、「温泉」を利用することもよくありますが、片頭痛がある人は要注意です。
休日には、緊張から開放されて血管も緩みがちになりますが、その状態で温かい温泉に浸かると、一気に血管が拡張して片頭痛が起こりやすくなるといわれます。
「空腹時」にも、脳の血管が緩みがちになるので、食事の前に温泉に浸かる場合には、飴をなめるなどして、少し血糖値を高くしおくことで、片頭痛が起こりにくくなるともいわれます。
また、片頭痛に「長湯」はNGです。
展望台
「展望台」は、観光スポットとして人気がありますが、地上から高さ数十メートルの展望台まで、エレベーターなどで一気に上昇すると、急激な気圧の変化のために血管が拡張して、「片頭痛」を起こすことがあるので注意が必要です。
片頭痛のある人は、無理のない範囲で「階段を利用」したり、「エレベーターを乗り継ぐ」などして、ゆっくりとしたペースで上昇していき、「急激な気圧の変化を避ける」ようにすることで、片頭痛が起こりにくくすることができるといわれます。
登山
最近は、年齢や性別を問わず、「登山」を趣味にする人が増えていますが、高い山に登ると、気圧が低くなって酸素濃度も低くなるので、片頭痛を起こしやすい状態になるといわれます。
片頭痛がある人は、標高が500m程度以下の「低い山」でハイキングなどを楽しむようにすれば、比較的安心なようです。
高い山への本格的な登山は、できるだけ控えるようにするのが得策といえそうです。
夏の海
夏の暑い時期には、海水浴で海に出かけることも多いですが、「海の強い日差し」は、片頭痛がある人にとっては大敵といわれます。
波間にギラギラと乱反射する「強い日光」が脳を刺激し、片頭痛を引き起こす引き金になってしまいます。
夏の海辺では、「サングラス」や「帽子」などを着用して、強い光が目から入ってくるのを防止することが重要が大切です。
雪山
「晴れた日」の「雪山」での「日光の照り返し」は、「夏の海辺」と同じくらい、脳への強い刺激になるといわれます。
「ゴーグル」などで「強い光」をしっかりと防ぐように。
「雪山」では、「晴れた日」だけではなく、日光が少ない「雪が降る日」にも注意が必要です。
「雪が降る日」は、「低気圧」で気圧が低くなっているので、脳の血管も広がり気味になり、片頭痛を起こしやすくなるといわれます。
「雪山」では、「晴れの日」と「雪の日」とでは、違った意味での片頭痛に対する注意が必要というわけです。
映画館
真っ暗な「映画館」の巨大スクリーンに映し出される映像や大きな音は、脳に過剰な刺激を与えるので、片頭痛を引き起こす可能性が高くなるといわれます。
周囲が真っ暗な状態での「強い光」や「大きな音」は、脳を最も刺激するとされるからです。
迫力は全く違いますが、部屋をあまり暗くせず、音量も少し抑えて「DVDで鑑賞」するようにすれば、脳への刺激はかなり少なくてすむので、どうしても観たい映画がある場合には、「DVD鑑賞」を考えてみるのもいいかもしれません。
カラオケボックス
閉め切った状態の「カラオケボックス」には、さまざまなにおいがこもりがちです。
室内にこびりついた「タバコのにおい」、それを消すための「消臭剤・芳香剤のにおい」、さらに「食べ物のにおい」なども入り混じって脳を刺激し、片頭痛を引き起こしやすくなるといわれます。
部屋に響き渡る「大音量の音」も、片頭痛を起こす一因になります。
片頭痛が起こりそうな予感がしたら、一旦「退室」するようにするなどの工夫をしてみるのもいいかもしれません。
化粧品売り場
百貨店などでは、ワンフロアの多くを「化粧品売り場」が占めていることが多いですが、ここも片頭痛がある人は要注意です。
「化粧品売り場」では、「照明が明るく」「強い香りがする」ので、脳を刺激して片頭痛が起こりやすくなるといわれます。
「香水売り場」も、同じことがいえます。
百貨店などでは、強い刺激がある場所はできるだけ避けるようにして、ショッピングを楽しむと良さそうです。
デパ地下
「デパ地下」では、いろいな「食品のにおい」が入り混じって、店員さんも「大きな声」をだしていて、「大勢の人」が行き交っています。
非常に刺激が多いので、片頭痛がある人は、注意が必要です。
買い物をしている最中に調子が悪くなってしまうかもしれません。
「におい」が気になる場合は、マスクを着用したり、「人混み」が気になる場合は、買い物客が少ない時間帯を選ぶようにするなどの、デパ地下対策が必要になりそうです。
「季節」や「天候」も片頭痛に影響
片頭痛は、場所だけでなく、「季節」や「天候」にも影響を受けるといわれています。
「春先」「秋口」に起こりやすい片頭痛
「春先」や「秋口」には、特に、片頭痛が起きやすくなるといわれています。
「春先」や「秋口」の「季節の変わり目」は天候が不順なことが多く、脳内物質の「セロトニン」の分泌も不安定になりがちだからです。
春の「ポカポカした陽気」も、血管が広がりやすくなる要因になり、片頭痛もひどくなる傾向にあるといわれます。
これらの時季には、特に生活のリズムを崩さないように気をつることが、片頭痛の予防や改善にとっては大切です。
「セロトニンの分泌」には、「日光」が必要となるので、春先などは、少し早めに「半袖」に衣替えするといいかもしれません。
気圧が下がると起こりやすい片頭痛
「片頭痛」と「気圧」は、密接に関係しているといわれています。
「天気の悪い日」や「台風の日」などに、頭が痛くなるという人も少なくありませんが、これは、「気圧」が影響しているからだといわれます。
気圧が低くなると、体は微妙に「むくむ」といわれますが、このむくみが「脳の血管」にも及び、周りの神経を刺激するので、片頭痛が起こりやすくなるというわけです。
朝は晴れていても、午後から天候が崩れてくると、急に片頭痛が起こることもあります。
朝出かける前に天気予報をチェックしておくことで、天候の変化による急な片頭痛にも慌てなくて済みます。
天気が大きく崩れる予報の時には、予定していた行動の「変更」を考えてみるのもいいかもしれません。
急な気温の変化で起こりやすくなる片頭痛
寒い日が続いているのに、突然気温が上昇するというようなことが、一年のうちには何度かあります。
片頭痛には、「気圧の変化」だけではなく、「気温の変化」も大きく関わっているといわれています。
急に温度が上昇すると、脳の血管が広がって神経を刺激し、片頭痛を起こしやすくなります。
季節外れの暑さがやってくるときには、日差しも強くなることが多いですが、目に入る強い光も片頭痛を起こす要因の一つになるとされています。
こちらも、天気予報のチェックが大切です。
「急に気温が上がると予想された晴れの日」には、服装などの調整に加えて、「帽子」や「サングラス」などで「日よけ対策」をして、強い光が目から入ってこないようにすると、片頭痛を防止しやすくなります。
乗り物に乗る時の片頭痛対策
片頭痛がある人は、外出の際、「乗り物に乗る」と頭痛が起こることも少なくありません。
「乗り物特有のにおい」「窓の外を流れる風景」「気圧の変化」「乗り物の振動」などが脳に刺激を与えるからです。
特に、遠方に出かける時に利用する「飛行機」「新幹線」「長距離バス」などでは、普段はあまり利用しない乗り物に長時間乗ることになるので、片頭痛も起こりやすくなるといわれます。
乗り物に乗って長距離を移動する前には、「十分な睡眠」をとるなどして、体調を整えておくことが片頭痛の対策になります。
乗車する前に、「酔い止め薬」を飲んでおくことも、片頭痛の予防には効果的です。
また、頭痛がし始めたら、「カフェイン」を含んだ「コーヒー」や「紅茶」などを飲めば、広がり始めた血管を元に戻す作用があるので、頭痛が少しやわらぐこともあります。
飛行機
「飛行機」の機内の気圧は、地上の気圧に比べると少し低くなっているので、血管が広がりやすく、片頭痛を起こしやすい環境になっているといわれています。
気圧の低い機内で、「赤ワイン」や「チョコレート」など「血管の拡張作用」があるものを摂取し過ぎると、片頭痛を起こしやすくなるので注意が必要です。
搭乗前に「酔い止めの薬」を飲んでおくと、片頭痛の予防にも効果が期待できます。
新幹線
「新幹線」に乗車の際、片頭痛がある人は、窓側の席はできるだけ避けるようにして、「通路側の席」に座るようにした方が良いといわれています。
特に、「進行方向に向かって右側の窓側の席」は、トンネル内で新幹線がすれ違う時に、瞬間的に急激な気圧の変動を受けて片頭痛を起こす引き金になることもあるといわれます。
また、「窓側の席」は、「流れる風景」や「日差し」が刺激になって片頭痛を引き起こす要因になることがあるので、窓際の席に座ることがあれば、「スクリーンをおろして」外の風景や日差しをシャットアウトするようにするといいです。
長距離バス
「長距離バス」では、座る位置が重要になるといわれます。
揺れを強く感じる座席では片頭痛を起こしやすくなるので、エンジンの振動が直接伝わる「最後部の座席」や、「タイヤの真上の座席」に座るのは避けるようにしたいです。
外の流れる風景を見ていると「視覚」が刺激されて、片頭痛を起こす要因になることもあるので、「窓の外は見ない」方が無難です。
また、信号でバスが停車した時には、横断歩道は極力見ないように。
照り返しでキラキラ光る白線を見ていると、片頭痛を誘発することがあるといわれます。
船
「船」は、乗り物の中でも、特に揺れが大きい乗り物です。
片頭痛がない人でも酔いやすいので、片頭痛がある人は、特に要注意です。
船は、片頭痛がある人は、「できれば乗るのを避けたい乗り物」ですが、どうしても乗らなければならない時には、乗船前に必ず「酔い止めの薬」を飲むようにしたいです。
空腹状態の時には、血管が広がりやすくなるので、乗船前に少し「何かを食べておく」ことも大切です。
船に乗ってからは、適宜甲板に出るなどして、新鮮な空気を吸って気分をリフレッシュするようにするといいです。
まとめ
リフレッシュするために出かけて行った楽しいスポットで片頭痛を起こしてしまっては、元も子もありません。
天候や出かける先に応じた片頭痛対策をして、訪れた場所を存分に楽しめるようにしたいですね。