コウモリと聞くと、暗いところにいる、少し不気味で怖い生き物というイメージがあるかもしれません。
確かに、コウモリは、実際に人間にとって害になることもありますが、一方で、縁起が良い生き物とされる場合もあります。
特に、コウモリが家の中まで入ってくると、幸運がやってくる前兆として歓迎されることもあるようです。
コウモリが縁起が良い生き物といわれる理由は、何なのでしょうか。
コウモリ
コウモリは空を飛ぶことができますが、卵を産む鳥類ではなく、子供を産んで育てる哺乳類です。
その見た目から、昔は「空を飛ぶネズミ」とも呼ばれていたようです。
日本には、30種類以上のコウモリが生息していて、絶滅の危険があるものも多いといわれています。
縁起が良いコウモリ
コウモリが家の中に入ってくると、糞をまき散らすなどの害をもたらしたりしますが、中国では、コウモリは縁起のいい生き物であるとされています。
昔から、コウモリが家に巣を作ると、「富」「子孫繁栄」などの幸運がもたらされるといわれたりもします。
蝙蝠の発音
コウモリは漢字で「蝙蝠」と書きます。
中国には、「福が来る」という意味の「偏福」という言葉がありますが、「蝙蝠」「偏福」のどちらもよく似た発音になり、日本語で表すと「ビィェン フゥー」となるのだそうです。
「福が来る」という意味の言葉と発音が似ていることから、縁起が良いといわれます。
五福臨門(五福円盤)
中国で縁起が良いとされる吉祥文様に「五福臨門(五福円盤)」がありますが、これには5匹のコウモリが描かれています。
この5匹のコウモリは、人生における5つの福(長寿・富貴・康寧・好徳・善終)を表していて、中国では、これらの5つの福を手に入れることが最上級の幸せにつながるとされています。
・長寿:長い寿命
・富貴:多くの財産と高い地位
・康寧:平穏無事
・好徳:善人で上品な人格
・善終:天寿を全うする
幸盛り・幸守り
日本でも、コウモリに「幸盛り」「幸守り」などの字を当てることで、言霊として縁起の良い生き物とされています。
また、コウモリは、逆さにぶら下がる習性があるので、「蝙蝠が落ちてくる」→「福が落ちてくる」とも考えられていたようです。
子沢山
昔は、コウモリは多産であると考えられていたため、「子孫繁栄」のシンボルとされていました。
しかし、実際のところ、コウモリの繁殖能力はそんなに高いものではありません。
にもかかわらず、子供をたくさん産むと信じられていたのは、コウモリは群れで行動することが多いので、繁殖能力が高いと誤解されていたのではないかと考えられています。
風水
風水は、中国で生まれた、気の力を利用した環境学です。
この風水では、コウモリは豊かな富のシンボルとされていて、「2匹のコウモリは幸運を招く」「5匹のコウモリは功名・福寿・結婚・金運・健康運をアップする」とされています。
コウモリの対処
コウモリは、いろいろな意味で縁起が良い生き物のようです。
なので、家に来れば、幸運がやって来る前兆だと思って、大喜びするかもしれません。
しかし、喜んでばかりもいられません。
コウモリの糞などは、生活する上で、大きな害になってしまうからです。
糞自体が不潔ですし、乾燥して空気中に飛散すれば、それを吸い込むことで感染症などの危険性もあります。
また、コウモリに触れると、ダニやノミなどが寄生していて、細菌やウィルスに感染してしまう可能性もあります。
コウモリが居続けるようなら、早々に追い払うようにしましょう。
ただし、コウモリは、鳥獣保護法によって守られている動物なので、むやみに殺傷、捕獲、飼育などをすると、法律により処罰されてしまいます。
直接手では触れず、虫取り網などを使って、コウモリに傷をつけずに追い払うのも一つの方法です。
自分で対処できない場合は、コウモリ駆除の専門業者に連絡して対処してもらうといいです。
コウモリの被害拡大を抑えるためにも、早めの対応を心がけることが大切です。
まとめ
コウモリは幸運をもたらす縁起の良い生き物だといわれていますが、実際に家に来た場合には、そのまま放置しておくのは良くありません。
家でコウモリを見かけたら、放置せずにすぐ対処するようにしましょう。
縁起の良いコウモリは、一瞬だけ家に来て、幸運を置いたらすぐに離れて行ってくれるのが一番かもしれませんね。