車に乗るときに、「半ドアみたいだから、もう一回閉め直して。」という会話を、よく聞くことがあります。
どうして車のドアには、「半ドア」という中途半端な閉まり方があるのでしょう。
安全のための「半ドア」
「半ドア」とは、ドアが完全に閉まっていない「閉まりかけ」の状態のことをいいます。
この「半ドア」は、安全のためには欠かせないといわれています。
「半ドア」の状態をつくることで、不用意な事故を起こさないようにしているのだといいます。
車のドアを完全に閉めるためには、ある程度の力で、ドアを閉める必要があります。
車のドアは、大きくて重く、さらに、車内の気密性を高めるため、ドアの周辺に、ゴムパッキンを使っていることもあり、ゆっくり閉めると、完全には閉まらないということも結構あります。
こんな時に「半ドア」の機能がないと、走り出した後に、ドアが開いてしまうことにもなりかねないといわれます。
そこで、安全のための「半ドア」というわけです。
1次ロックの「半ドア」
車のドアは、安全のために、車体に、ドアのフックがかかる部分を作って、軽い力でも、そこにフックがかかれば、「1次ロック(=半ドア)」の状態になるように設計されています。
こうすることで、ゆっくりと軽い力でドアを閉めても、簡単にドアが開くことはなくなります。
しかし、フックがかかっているとはいえ、そのままの状態で走っていてると、当然、危険です。
そこで、警告灯や室内灯などで、半ドアだということを警告します。
今度は、しっかりと「完全にロック」。
車の「半ドア」は、乗る人の安全のことを考えた仕組みだったというわけです。
最近では、スライドドアなどには「オートクロージャー」という機能が備わっていて、半ドアでも、自動的に完全に閉まるドアも増えてきています。
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ドアを閉める際に、窓を少しだけ開けておくと、車内の空気が外に逃げて、気圧による「押し返す力」が軽減されるので、ドアが、完全に閉まりやすくなるといわれます。
よく「半ドア」になるようなら、一度試してみる価値はありそうです。