静電気が「冬に起こりやすい」理由は?

冬は、「静電気」の起こりやすい季節です。

セーターを脱ぐときにパチパチ、ドアのノブに触ってパチパチ、車に乗る時にパチパチ。

どうして、冬には静電気が起こりやすくなるのでしょう。

「重ね着」と「静電気」

全ての物体は、「プラス」と「マイナス」の電気を帯びていて、普段は、バランスがとれているといわれています。

しかし、冬に重ね着をした服が、接触したり離れたりすると、「摩擦」が起こって、移動しやすいマイナスの電気が動き出します。

マイナスの電気が動いた結果、残った方はプラス、移動した先はマイナスの電気を帯びて、静電気が発生するというわけです。

この時に、金属などの電気を通しやすいものに触ると、中和させようとして、一気に電気が皮膚の一点に集中し、体に「電撃」が走ります。

これが、あの嫌な「静電気」です。

衣服の組み合わせ

冬場は、重ね着をすることが多いので、服がよくこすれますが、
「ウール」と「ポリエステル」
「ウール」と「アクリル」
などの組み合わせは、静電気が起こりやすいパターンだといわれています。

逆に、
「ウール」と「ナイロン」
「ウール」と「絹」
などの組み合わせは、比較的、静電気が起こりにくいパターンといわれます。

素材によって、「プラスに帯電しやすい素材」と「マイナスに帯電しやすい素材」がありますが、プラスに帯電しやすい順に並べると、次のようになるといわれています。

1.ウール(最も、プラスに帯電しやすい)
2.ナイロン
3.レーヨン
4.絹
5.皮
6.綿
7.麻
8.ポリエステル
9.アクリル
10.塩化ビニル(最も、マイナスに帯電しやすい)

これらのうち、離れている組み合わせほど、静電気を起こしやすいとされています。

「ウール」と「塩化ビニル」の組み合わせが、最も静電気を起こしやすい、ということになります。

静電気の防止

冬の重ね着による静電気防止対策は、服の摩擦を防ぐこととされます。

・静電気防止スプレー
・静電気除去ブラシ
・洗濯時の柔軟剤の使用
などは、効果的な「静電気防止対策」になるといわれています。

乾燥(低い湿度)が静電気の原因に

冬に多いと感じる静電気ですが、実は、静電気は、一年中発生しているといわれます。

夏は、湿度が高いので、あまり感じないだけなのだといいます。

湿度が高いと、帯電している服や体の表面に、水分がくっついた状態に。

水分は、電気を通しやすいので、自然に、体から地面へ静電気を逃してくれるというわけです。

冬は、空気が乾燥した状態になりやすいですが、加湿器などを使って、湿度を50~60%程度に保つようにすれば、静電気は、比較的起こりにくくなるといわれています。

夏や梅雨の時期には、あまり静電気を感じることはありませんが、これらの時期の湿度は、60%を超えていることがほとんどです。

静電気の電圧は、約3,000ボルト

静電気をあなどってはいけません。

静電気でパチパチと感じる時の電圧は、なんと約3,000ボルト家庭用電気の約30倍にも達するといわれています。

しかし、流れる電気の量は、ごく微量なので、体に直接の悪影響を与えることは、ないようですが‥。

寒い冬、できれば、あのパチパチする静電気に悩まされることなく、快適に過ごしたいですね。