カレーの本場インドには、「カレー」という料理は存在しない?

「カレーの本場」といえば「インド」。

これは、日本の常識といえるかもしれませんが、実は、インドには「カレー」という料理は存在しないのだといいます。

スパイス料理の総称「カリ」

「カレー」は、タミール語の「カリ(kari)」に由来するといわれていますが、「カリ」は、日本の「ごはん」と同じような意味合いで、食卓に並ぶ、肉、野菜、スープなど、「インド発祥のスパイス料理の総称」「カリ」だといわれます。

インドでは、香辛料を使ったスパイス料理の「カリ」には、それぞれに「料理名」がつけられています

その昔、「カリ」と呼ばれる、いろいろな「インド料理」が、イギリス経由で、ヨーロッパに紹介されていったといわれます。

18世紀になると、イギリスの食品会社が、世界で初めて「カレー粉」を作り、これも、ヨーロッパに広まっていきました。

これらの料理が、やがて日本にも伝わってきて、「カリ」の一部の料理が「カレー」という名称で定着していったといわれています。

日本人が「カレー」と呼んでいる料理は、本来の「インド料理」ではなく、イギリスから伝ってきた「インド風シチュー」のことだといわれます。

スパイスを使って小麦粉のルーでとろみをつけた、独特の「インド風のシチュー料理」が、日本人が「カレー」と呼んでいる料理というわけです。

「カレー」というメニューはない

本場のインドで、カレーを食べようと思ってレストランに入っても、「カレー」というメニューはないといわれます。

日本では、一括りに「カレー」と呼ばれるような料理でも、インドでは、いくつもの種類に分れていて、その一つひとつの料理に「チキンマサラ」「サーグチキン」などの名前がつけられています。

ただ最近では、外国人のために、英字で「チキンカレー」「スピナッチ(ほうれん草)カレー」「ビーンズカレー」などと表記されることも、増えているようですが、インドには「料理としてのカレー」が存在しない、ということは確かなようです。

ちなみに、多くのインド人は、日本の「カレー」を見ても、それが、インド料理だとは、全く思わないのだそうです。

「カレーライス」は、インド料理を参考にした、日本独特の「日本料理」といえるのかもしれません。