数多くある文学賞の中でも、特に有名な「芥川賞」と「直木賞」。
どちらの賞も、とても素晴らしい賞であるということは分かっていますが、二つの賞の違いということになると、はっきりとは分からないという人も多いです。
「芥川賞」と「直木賞」とは、どう違うのでしょう。
芥川賞
「芥川賞」は、正式には「芥川龍之介賞」といいます。
文字どおり、芥川龍之介氏の業績を記念して創設されたもので、「純文学」の「無名作家」や「新人作家」に与えられる賞とされています。
審査基準は、純文学作品の「形式」や「芸術性」であるとされています。
選考は年2回行われ、受賞者には、
・正賞:懐中時計
・副賞:100万円
が授与されます。
直木賞
「直木賞」の正式名称は「直木三十五賞」です。
直木三十五賞氏の業績を記念して、芥川賞と同時に創設された賞で、「無名」「新人~中堅作家」の「大衆文学作品」に与えられる賞とされています。
審査基準は、大衆文学作品の「娯楽性」や「商業性」であるとされています。
こちらも、選考は年2回行われ、受賞者には、
・正賞:懐中時計
・副賞:100万円
が授与されます。
元々「直木賞」は、「無名」「新人」のための賞でしたが、最近では「中堅の作家」が受賞することが多くなり、その位置づけも変わってきているといわれます。
「芥川賞」と「直木賞」
「芥川賞」と「直木賞」を設立したのは、文藝春秋社・初代社長の菊池寛氏。
芥川龍之介氏も直木三十五氏も、ともに菊池寛氏の友人で、1935年に「芥川龍之介賞」「直木三十五賞」が発足します。
「芥川賞の方が直木賞より上」というように思っている人もいるようですが、二つの賞に上下はなく、
位置づけとしては同等とされています。
「芥川賞」は「該当者なし」ということも多いので、芥川賞の方が難しいというイメージがあるのかもしれません。
直木賞が「短編~長編」を対象としているのに対して、芥川賞は「短編」を対象にしています。
あまり読書をしない人にも、短編の芥川賞受賞作品は読みやすいかもしれません。