すき焼きや肉じゃがなどには欠かせない食材の「しらたき」と「糸こんにゃく」。
どちらも、メインの食材として使われることは少ないですが、美味しい料理を作るには、なくてはならない食材といえます。
よく似た食材の「しらたき」と「糸こんにゃく」ですが、どこに違いがあるのでしょう。
「しらたき」と「糸こんにゃく」
「しらたき」も「糸こんにゃく」も、原料は同じ「こんにゃくいも」から作られています。
「しらたき」の色は「白く」、「糸こんにゃく」の色は「黒っぽい」ことが多いですが、
「糸こんにゃく」の色が黒っぽいのは、「海藻の粉」を入れて着色しているためで、主な原料は、あくまでも「こんにゃくいも」です。
「しらたき」と「糸こんにゃく」の違いには、「昔の製造法」が関係しています。
どちらも、「こんにゃくいもを液状にすること」から作り始めますが、それ以降の製法が違っていました。
「しらたき」の製造法
「しらたき」は、原料のこんにゃくいもを液状にして、まだ固まっていないゼリー状の状態で、細い穴があいている筒状の容器に入れて押し出し、糸状になって出てきたものを固めていきます。
容器から出てくる白い糸状の様子が「白滝」を連想させることから、「しらたき」と呼ばれるようになったといわれています。
「糸こんにゃく」の製造法
一方の「糸こんにゃく」は、原料がこんにゃくいもであることに違いはありませんが、「しらたき」とは違い、こんにゃくいもが固まって「板こんにゃく状」になったものを、糸状に細く切っていきます。
「しらたき」は「細くしてから固める」
「糸こんにゃく」は「固めてから細くする」
というのが、それぞれの「昔ながらの製造法」というわけです。
「太さ」の差
当時は、細くしてから固める「しらたき」は、「2~3mm程度」の太さのものが多く、
固めてから細く切る「糸こんにゃく」は、「4~8mm程度」の太さのものが多かった
といわれています。
「細いしらたき」「少し太めの糸こんにゃく」といった感じです。
関東の「しらたき」、関西の「糸こんにゃく」
「しらたき」「糸こんにゃく」ともに、昔とは違って、「作り方」や「材料」に大きな違いはなくなってきているので、現在では「呼び方が違うだけ」というのが実際のところのようです。
「しらたき」も「糸こんにゃく」も、「太め」「細め」など、いろいろな種類のものがあります。
一般的に、「関東」では「しらたき」、「関西」では「糸こんにゃく」と呼ばれる傾向が強く、
特に製法などには関係なく、関東では「しらたき」、関西では「糸こんにゃく」という名称で売られていることが多いようです。