線を引いたり、長さを測ったりするときに使う、「定規」や「物差し」。
どちらも、よく似た同じような「文房具」です。
「定規」と「物差し」は、言い方が違うだけのような気もしますが、それぞれの文房具には、もともと意図した使い方の違いがありました。
定規
「定規」は、直線や曲線を引くための道具ですが、角度を確かめる時、真っすぐにカッターで切る時などに使われることもあります。
よく知られている定規に、「三角定規」があります。
角度を測る「分度器」も定規に分類されることもあります。
「定規セット」として、「三角定規」「直線定規」「分度器」がセットになって販売されているのをよく見かけます。
これらの他にも、製図に使われる「T型定規」や、カーブを描くための「雲形定規」など、いろいろな種類の定規があります。
三角定規で目盛りがついていないものがありますが、これは、三角定規が「長さを測る」道具ではなく、「線を引く」道具だからというわけです。
物差し
一方の「物差し」は、長さを測るための道具で、必ず目盛りがついています。
「物差し」というと、「竹製の30cmの物差し」を思い浮かべる人も多いかもしれません。
「定規」と形が似ているので、線を引く時に使ったりもしますが、本来の「物差し」は「長さを測るための道具」というわけです。
正確に長さを測るため、温度の変化で伸縮しにくい素材の、「合成樹脂」「竹」「ステンレス」などで作られることが多いといわれます。
物差しの目盛りは、起点となるゼロから測定できるように、「端が0目盛り」になっているのが大きな特徴とされます。
まとめ
線を引くための道具の「定規」と、
長さを測るための道具の「物差し」。
本来の使い方を考えると、「定規でダンボール箱の寸法を測った」とか、「物差しを当てて真っすぐの線を引いた」というのは、ちょっと違った使い方ということになるわけです。
最近では、定規にも目盛りがついているものが多いので、「定規」と「物差し」との区別は、あいまいになってきているといわれます。
ただ、価値観などの尺度のことを比喩的に表現する場合には、「自分の物差しで物事を判断する」と言いますが、「自分の定規で物事を判断する」と言うことはありません。