「さかな」を漢字にすると「魚」と書くのが一般的ですが、「酒のさかな」の場合は「肴」となります。
同じ読み方の「魚」と「肴」。
違いはどこにあるのでしょう。
肴
もともと、酒のつまみのことは「酒菜(さかな)」と書いていたといわれます。
「菜」というと「野菜」を連想するかもしれませんが、昔はおかず全般のことを指して「菜」といっていたといわれます。
これに対して、「肴」には「魚肉を使った料理」という意味があったといいます。
酒のつまみには、魚介料理が出されることも多く、いつの頃からか「酒菜=肴」になっていったといわれます。
ただ、「肴」は食べ物にだけ使われる言葉ではなくて、酒席での余興や面白い話などを指すこともあります。
魚
「魚」は、サカナ「そのもの」を指すとされます。
しかし、「魚」を「さかな」と読むようになったのは、酒の肴に魚介料理が多く使われるようになってからのことだといいます。
「魚」はもともと「いを」と呼ばれていましたが、次第に「うお」という呼び方に変化していったといわれます。
この「うお」は、母音が続いて聞く人に伝わりにくいということで、酒の肴に使われていた「さかな」という発音が使われるようになり、これが「生きている魚」にも使われるようになったといわれています。
生き物の魚は、大昔から存在していましたが、「さかな」という読み方は、「魚」より「肴」の方が先だったというわけです。