アレルギー性鼻炎のくしゃみや鼻水などの症状は、とてもツライものです。
アレルギー症状が酷いと、仕事や生活に悪影響を及ぼしてしまうこともありますが、アレルギー性鼻炎は、食べ物に気をつけることで、ある程度緩和することができるともいわれています。
普段食べている食べ物がアレルギー性鼻炎にとって悪い食べ物だと、症状がさらに悪化してしまうことがある一方で、アレルギー性鼻炎に良いとされている食べ物もあります。
アレルギー性鼻炎にとって良い食べ物、悪い食べ物とはどんなものなのでしょう。
アレルギー性鼻炎に良い食べ物
タンパク質の摂りすぎがアレルギーの原因に
タンパク質は、人間の体をつくる重要な栄養素の一つで、腸でアミノ酸に分解されて吸収されます。
しかし、摂りすぎると分解されずに腸から吸収されてしまい、それが、通常とは違う異物と見なされて、アレルギー反応を起こしてしまうといわれています。
「日本人の1日あたりのタンパク質の摂取量は、平均的に見て、30%程度過剰に摂りすぎている」ともいわれていて、特に、肉類などの動物性タンパク質の摂りすぎが目立つとされています。
元々農耕民族であった日本人の体は、動物性タンパク質をあまり吸収せず、その過剰分がアレルギーの原因になるといわれています。
日本人にアレルギー性の病気が増え始めた時期と、動物性タンパク質の摂取が急激に増えた時期とは、ほぼ一致しているといわれています。
タンパク質の「質」
日本人のタンパク質の摂取量が30%程度過剰だといわれる一方で、「先進国において、タンパク質が十分に足りている人はいない」という専門家もいます。
どういうことかといえば、タンパク質をつくる「アミノ酸」のうち、体内では合成できない(食べ物から取る必要がある)「必須アミノ酸」が、適切に摂れていないということなのです。
タンパク質は、いろいろな食材からバランス良く取ることが大切ですが、「卵」と「しじみ」は、人間が必要とするアミノ酸が、すべてバランス良く含まれている食材といわれます。
その他、サンマ、イワシ、鶏肉なども、比較的バランスが良いといわれています。
タンパク質は、魚、海藻類、納豆、味噌などを中心にして、バランスよく摂るように心がけたいです。
アレルギー性鼻炎を治すために、タンパク質の摂取で気をつけることは
・タンパク質を取りすぎない
・動物性タンパクを減らす(特に肉類)
・いろいろな食材からバランス良く取る
・必須アミノ酸を含む食材をきちんと食べる
ことだといわれます。
アレルギー性鼻炎に良い食べ物
アレルギー性鼻炎は、根本的に治すことは難しいので、薬などで症状を抑えるしかないというのが現状といわれます。
アレルギー性鼻炎に良いとされている食べ物を紹介します。
しょうが
「しょうが」は、体を温める効果があることで有名ですが、体を温めるほかにも、殺菌効果や吐き気を抑える効果など、いろいろな効果があるとされています。
炎症を抑える効果も、しょうがの効果の一つとされています。
体内に異物が入ってくると炎症を起こすホルモンが作られますが、しょうがには、そのホルモンが作られるのを抑える作用があるといわれています。
アレルギー性鼻炎は、アレルギー反応によって鼻の粘膜に炎症が起こることで症状がでるので、効果が期待できるというわけです。
しそ
「しそ」は、食欲増進、咳どめ、防腐、食中毒予防の効果があることで知られていますが、しそには、アレルギー性鼻炎に効果が期待できる成分の「αリノレン酸」と「ルテリオン」が含まれているといわれます。
「αリノレン酸」は、皮膚炎、花粉症などのアトピーの諸症状を抑え、体質改善が期待できる成分で、「ルテリオン」は、免疫の過剰反応を抑えて免疫機能を正常化させ、アトピーや鼻炎などの体質を改善する効果が期待できる成分とされています。
ルテリオンは、しその実に豊富に含まれているといわれます。
ねぎ
「ねぎ」は、体を温める効果があって風邪のときなどに良いとされますが、ねぎには「アリシン」という成分が含まれていて、炎症を抑える作用があるとされています。
ヨーグルト
アレルギー性鼻炎の原因の一つに腸内環境がありますが、「ヨーグルト」に含まれている「乳酸菌」には、腸内環境を整える作用があるとされています。
アレルギー性鼻炎は、免疫の過剰反応が原因となっていますが、免疫の半数以上が集中しているといわれる腸の環境を整えることで、アレルギー症状を改善する効果が期待できるというわけです。
青魚
アジ、イワシ、サバなどの「青魚」には、「DHA」や「EPA」が豊富に含まれています。
DHAやEPAは、高血圧の改善、記憶力・学習能力の向上に効果があることで有名な成分ですが、「抗炎症作用」もあるとされていて、アレルギー症状の改善が期待できるといわれています。
甜茶(てんちゃ)
数年前から花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピーの対策に効果があると注目されるようになったのが甜茶です。
甜茶が注目されるようになったのは、甜茶に含まれる「甜茶ポリフェノール」という成分に、アレルギー性鼻炎の原因になるヒスタミンなどの物質の抑制や過剰分泌を抑える作用があるといわれているからです。
甜茶には、色々な種類がありますが、効果が期待できるのは「甜葉懸鈎子(てんようけんこうし)」という種類だとされています。
べにふうき
「べにふうき」は、紅茶、半発酵茶の用途として開発された、お茶の品種です。
べにふうきに含まれる「メチル化カテキン」がアレルギーを抑えるのに良いとされています。
アレルギー性鼻炎の原因である「ヒスタミン」は「Ige抗体」が出す物質ですが、このIge抗体を抑制する効果があるのが、べにふうきに含まれる「メチル化カテキン」とされています。
アレルギー性鼻炎に良い食事・悪い食事
アレルギー性鼻炎に良い食事
「栄養のバランスがとれている食事」が、アレルギー性鼻炎にとって、良い食事だといわれます。
五大栄養素である「炭水化物」「脂質」「糖質」「ビタミン」「ミネラル」を、バランス良く摂るように心がけましょう。
栄養バランスが整った食事をすることで、免疫力や基礎代謝が高まり、ウイルスや菌に対する抵抗力がアップするといわれます。
栄養バランスのとれた食事になっているか、もう一度食生活を見直してみましょう。
食べ物としては、上記のしょうが、しそ、ねぎ、ヨーグルト、青魚、甜茶、べにふうきのほか、トマトや納豆なども良いとされています。
アレルギー性鼻炎に悪い食事
「カロリーが高い食事を続けていると、アレルギー性鼻炎が悪化する」といわれています。
「コンビニ弁当」や「ファストフード」などは、非常にカロリーが高いものが多いです。
仕事などで毎日忙しくしていると、ついつい手軽な食事で済ましてしまいがちですが、毎日コンビニ弁当やレトルト食品ばかり食べていると、アレルギー性鼻炎にはよくないので、できるだけ「自炊」をするようにしたいものです。
また、「刺激物」や「アルコール類」も良くないといわれます。
唐辛子、こしょう、わさび、からしなどの刺激物は、鼻がつまりやすくなり、アルコール類は、アセトアルデヒドと呼ばれる成分が、鼻水やくしゃみを起こす原因になってしまうといわれます。
アルコールが大好きという人も、飲む量は少なめにするように心がけたいです。
まとめ
アレルギー性鼻炎の人は、体質を改善することが肝心だといわれます。
体質を改善するためには、アレルギー性鼻炎にとって、どういう食事が良くて、どういう食事が悪いのかをしっかりと把握して、栄養バランスが整った食事に変えていき、それを続けていくことが大切です。
そうすることが、アレルギー反応を抑えていく一番の方法になるといえそうです。