「冷凍食品」と「レトルト食品」は、どちらも簡単に調理して手軽に美味しく食べることができる、とても便利な食品です。
このよく似た二つの食品は、どこに違いがあるのでしょう。
冷凍食品
「冷凍食品」は「冷凍されて販売されている食品」のことで、「フローズン」と呼ばれることもあります。
日本では、「冷凍食品」は「魚の冷凍輸送」のために開発され、1935年(昭和10年)に初めて国内で販売されたといわれています。
「冷凍食品」が、本格的に普及するようになったのは、「冷凍冷蔵庫」が普及し始めた、1970年代になってからのことです。
「冷凍食品」は、「食品を急速に凍結させる」ことで保存性を向上させますが、最近では、「窒素ガス」や「液化天然ガス(LNG)」の冷熱を利用して「瞬間凍結」させることで、以前に比べて、品質も格段に向上したとされています。
「冷凍食品」には、3,000種以上の種類があるといわれていますが、冷凍食品の大半は「調理済み」か「半調理済み」の食品で、その多くが外食産業などの業務用といわれています。
「一般家庭向けの冷凍食品」は、「スーパー」や「コンビニ」などでは売れ筋の有力商品になっていて、「コロッケ」「ハンバーグ」「フライ物」などの惣菜系や、「たこ焼き」「ピラフ」などのスナック系の人気が高いといわれます。
レトルト食品
一方の「レトルト食品」は、「レトルト(retort(加圧高温殺菌釜))」で殺菌して、「パウチ(pouch(小さな袋詰め))」した食品のことで、正しくは「レトルトパウチ食品」といいます。
「ポリエステル」「アルミ箔」「ポリエチレン」などを使った、「耐熱・耐圧性の袋」に調理した食品を詰めて、高温高圧で加熱滅菌したもので、常温で「1~2年程度の保存ができる」とされます。
「袋ごと熱湯で温めたり」「袋から取り出して電子レンジで温めたり」して食べます。
1969年に大塚食品から発売された「ボンカレー」は、レトルト食品のパイオニア的な存在といわれています。
最近では、「カレー」をはじめとして「ハンバーグ」「どんぶりの具」など、いろいろな種類の「レトルト食品」が発売されています。