学校のチャイムの音は、ビッグベンの鐘の音だった!

「キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪」という、学校の授業の始まりや終わりを知らせる「チャイムの音」。

学校のチャイムの音として、全国的に、よく知られているメロディですが、このメロディは、文部科学省の指導などによるものではなく、自然に使われるようになり、次第に、全国のあちこちで使われるようになっていったといわれています。

時計台「ビッグベン」のメロディ

学校のチャイムのメロディは、ドイツのヘンデルが作曲した、オラトリオ「メサイア」のアリアの一節です。

イギリス・ロンドンの「ウェストミンスター宮殿(現在の国会議事堂)」が、19世紀に再建された時、「ビッグベン」の愛称で知られる時計塔の「チャイム」に、このメロディが採用されました。

戦後に学校のチャイムの音に

日本では、第二次世界大戦後、ラジオから流れる「ビッグベンの音色」を聞いた学校の教師が提案して、学校のチャイムに、使われるようになったといわれています。

戦争が終わって間もなかった当時、「ジリリリリ~」という、従来のベルの音は、空襲を思い出すといって、毛嫌いする人も多かったといいます。

それに比べて、「キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪」というチャイムの音は、4つの音だけでできている、柔らかい音で、誰からも、好まれるメロディでした。

1950年代に入って、日本のメーカーが、「キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪」というメロディで、チャイムを生産し始めると、急速に、全国に広がっていったといいます。

日本人には、すっかりお馴染みになった、学校のチャイムのメロディですが、2002年度の学習指導要領で、「時間割の弾力的な運用」が示されると、授業などを、自由に時間設定するなどの理由から、チャイムの音を鳴らさない学校も、増えてきたといわれています。

今後は、「キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪」というメロディが、「学校のチャイムの音」とは結びつかない世代の人が、増えてくるのかもしれません。