ニュースで、「大型で強い台風」とか「非常に大きい猛烈な台風」などと言うのをよく聞きます。
「大きい台風」と「強い台風」、どちらも威力のある台風のように思いますが、台風の「大きさ」と「強さ」とは、どう違うのでしょう。
台風の大きさ
「台風の大きさ」は、「風速15m/s以上の強い風が吹く強風域の範囲」によって決められています。
強風域の半径が、
「500km以上、800km未満」の台風は「大型(大きい)」
「800km以上」の台風は「超大型(非常に大きい)」
となります。
半径が「500km未満」の場合は、大きさの表現はされません。
ちなみに、「風速25m/s以上」の風が吹く範囲は「暴風域」と呼ばれます。
台風情報では、暴風域が円形で示されていますが、これは「暴風が吹いてもおかしくない範囲」を表しています。
台風の強さ
これに対して、「台風の強さ」は、「最大風速」によって分類されています。
最大風速が、
「33m/s以上、44m/s未満」の場合は「強い」
「44m/s以上、54m/s未満」の場合は「非常に強い」
「54m/s以上」の場合は「猛烈な」
となります。
「大きさ」と同じように、最大風速が「33m/s未満」の場合は、強さの表現はされません。
例えば、「強風域が700km」で「最大風速が50m/s」の台風の場合は、「大型で非常に強い台風」となります。
台風の威力
「大きい台風」「強い台風」ともに、大きな被害をもたらす可能性が高いですが、より大きな被害が出るかどうかは、「大きさ」よりも「強さ」にかかっていることが多いです。
「大きい台風」でも強さが「強くなければ」、それほど大きな被害は出ないかもしれませんが、
「そんなに大きくない台風」でも「猛烈な強さ」の台風は、大きな被害が出ることが容易に予想されます。
「台風の強さ」と「その影響」は、次のようなイメージになります。
強風域の「風速15m/s」は、「取り付けの悪い看板が飛ぶことがある。」ほどの強さ
暴風域の「風速25m/s」は、「屋根瓦が飛ばされ、樹木が折れ、煙突が倒れる。」ほどの強さ
「風速33m/s以上」の「強い台風」になると、「自動車や電車の客車が倒れる」ことがあり、
「風速54m/s以上」の「猛烈な台風」になると、「木造家屋が倒れ、樹木が根こそぎになる可能性がある」
とされています。
台風情報はしっかりと聞いておいて、威力の強い台風が近づくことが予想されれば、事前にできる限りの対策をとって、身の安全を確保するようにしたいですね。