「不動産売買の契約」や「賃貸住宅の契約」の際などには、よく「手付金」や「内金」という言葉がでてきます。
どちらも、契約時に支払うお金なので、同じような性質のものだと思っているかもしれませんが、「手付金」と「内金」には、明確な違いがあります。
契約時のトラブルを避けるためにも、「手付金」と「内金」の違いは、しっかりと覚えておきたいです。
手付金
「手付金」は、「売買」「請負」「賃借」などの契約の際に、その契約を履行することの保証として、買主が売主に対して支払うお金のことです。
「手付金」は「契約履行の保証」なので、「買主」が契約を履行しなかった場合には、「手付流れ」といって、支払った手付金は戻ってきません。
「買主」は、「支払った手付金」を諦めることで、契約を解除することができるというわけです。
逆に、手付金を受けとった「売主」がその契約を解除するためには、「手付倍返し」といって、手付金を「倍額」にして買主に返す必要があります。
「買主」が契約を解除したければ、売主に渡した手付金を諦め、「売主」が契約を解除したければ、受け取った手付金の倍額を買主に渡せばいいということになります。
ただ、手付金を支払ったとしても、その手付金を代金の一部に充てるという取り決めがなければ、契約代金の一部を支払ったということにはならないので、注意が必要です。
内金
一方の「内金」は、「売買」「請負」「賃借」などで契約した代金の一部です。
「内金」は、あくまでも「支払い代金の一部」なので、「内金」には「契約履行の保証」という意味合いはありません。
しかし、契約の中で、手付金を内金とする場合が多いので、買主が契約を解除した場合には、内金(=手付金)が返還されないことが多いです。
「手付金を内金とする場合」には、契約書で「手付金は、残代金支払のときに売買代金の一部に充当する」などと定められていますが、この場合には、支払った内金(=手付金)は、最終的には売買代金の一部に充当されることになります。
契約に当たって代金を支払う際には、そのお金が「手付金」なのか「内金」なのかを、しっかりと確認しておくことが大切です。