「白」「黒」「茶」の3色の毛をもつ「三毛猫」は、欧米では「トーティー&ホワイト」「キャリコ」などと呼ばれています。
三毛猫のほとんど全てが「メス」で、「オス」の三毛猫は「3万匹に1匹程度」しか生まれてこない、という珍しさだといわれています。
遺伝子の影響
三毛猫に、ほとんど「オス」がいないのには、「遺伝子」が関係しているといわれています。
「猫の染色体」は、「性染色体が1対」と「常染色体が18対」の「合計19対・38本」とされています。
人間と同じように、性染色体に「X染色体が2本あればメス」に、「X染色体とY染色体が1本ずつあればオス」になります。
毛を「白」にする遺伝子は「常染色体」にあるので、「メス」にも「オス」にも「白い毛」は生えてきます。
しかし、毛を「黒」や「茶」にする遺伝子は、性染色体の「X染色体」にしかないといわれます。
「メス」には「X染色体が2本ある」ので、それぞれ「黒」と「茶」にする遺伝子を持っていれば、それに常染色体の「白」を加えて「3色」となって「三毛猫」になります。
しかし、「オス」には「X染色体が1本しかない」ので、常染色体の「白」のほかには、「黒」か「茶」のどちらか一方の色の毛しか生えてきません。
つまり、「オス」の場合は、「黒と白」または「茶と白」の「2色の毛」にしかならないというわけです。
染色体異常
通常、オスの猫は、3色の毛になることはありませんが、「染色体異常」がある場合には、オスでも「三毛猫」になることがあるといわれます。
ごく稀に「XXY」という染色体を持ったオスが生まれることがあるといわれますが、この場合には、三毛猫になることがあるとされます。
オスの猫が「三毛猫」になるのは、確率でいうと「3万匹に1匹程度」といわれています。
三毛猫のオスには、ほとんどの場合「繁殖能力はない」といわれています。
「クラインフェルター症候群」と呼ばれますが、これは、人間にも起こることで、人間の場合には「500人に1人程度」の割合で起こるとされています。
オスの三毛猫は珍重される
「オスの三毛猫は、稀にしか生まれてこない」ということは、昔から知られていて、珍重されてきたといわれます。
「三毛猫は、幸運を招く」と古くから信じられていたといわれますが、大嵐の航海から無事に帰ってきた船に「オスの三毛猫」が乗っていたことから、特に「オスの三毛猫」は「航海のお守り」として珍重されてきたといわれています。