タツノオトシゴは、とてもユニークな形をしていて、一見すると、魚には見えないかもしれませんが、間違いなく魚の一種です。
ユニークな形をしたタツノオトシゴですが、ユニークなのは、外見だけではありませんでした。
出産の仕方も、ユニークでした。
オスに育児嚢がある
タツノオトシゴの「オス」には、カンガルーと同じように、「育児嚢(いくじのう)」と呼ばれる「子どもを育てるための袋」が、お腹にあるといわれます。
そこに卵を抱えて、稚魚に成長するまで、育てるというのです。
稚魚に成長すると、育児嚢から1匹ずつ稚魚を出していくので、タツノオトシゴは「オスが子どもを産む」と考えている人も多いようです。
確かに、タツノオトシゴの「オス」は、育児嚢に卵を抱えて育てていき、そこから稚魚を出していきますが、その育児嚢に卵を産みつけるのは、あくまでも「メス」です。
オスが「卵」そのものを産むというわけではなく、オスは、産みつけられた卵を、稚魚になるまで育てるということのようです。
メスは、オスの育児嚢に、数百個の卵を産みつけるといわれていますが、この時、2匹が向かい合って抱き合うような体勢になるのが「ハート型」に見えて、とてもロマンティックに見えるといわれています。
メスは育児に関わらない
卵を産んだ後、メスは育児には関わらないといわれます。
オスの周りを、しばらくウロウロすることもあるようですが、やはり、育児は手伝いません。
卵をキャッチしたオスは、受精させてから2~3週間ほど、育児嚢で育てます。
お腹の中の稚魚が、5mmほどに育つと、海藻に体を巻き付け、小刻みに震わせて、育児嚢から稚魚を出していくといわれます。
この光景が、あたかも、オスが出産しているように見えるというわけです。
人間とは違い?タツノオトシゴの出産・育児には、オスが大活躍するようです。