全身から針を突き出し、体を、まん丸に膨らませた姿が個性的な「ハリセンボン(針千本)」。
「いが栗」にも似た、ユーモラス感もある「ハリセンボン」ですが、その針の数は、本当に1,000本もあるのでしょうか。
ハリセンボンの針の数
ハリセンボンの「針」は、「ウロコ」が成長して変化したものとされていて、針の長さが5cm程度になることもあるといわれます。
実際に、ハリセンボンの針の数をかぞえてみると、針の数は「370~380本程度」のものが多く、多くても「500本程度」だといわれます。
「針の数」ということからすると、「針千本」というのは、明らかに「過大表現」といえそうです。
見るからに触ると痛そうな針ですが、「生まれたばかりのハリセンボン」には「尖った針」はなく、成長とともに、針も大きく尖った形になっていくといわれます。
幼魚の頃の「ハリセンボン」は、「ハリゼロホン」というわけです。
危険になると体を膨らませる
ハリセンボンの体は、いつも膨らんでいるわけではなく、普段は、針を後ろに寝かせて泳いでいるといわれます。
しかし、敵に出会ったりして「危険を感じる」と、「水」や「空気」を大量に吸い込んで体を大きく膨らませ、針を突き出して「威嚇」するのだといいます。
針に「毒はない」とされていますが、刺さるとかなりの痛みがあるといわれます。
浜辺に打ち上げられたハリセンボンを見つけても、不用意に手を出さないのが無難です。
体を膨らませた状態を続けておくのは、ハリセンボンにとって結構「重労働」のようで、膨らんだ体も、危険が去っていくと、またすぐに元の姿に戻っていくといわれます。
ハリセンボンは、主に、熱帯や温帯の海域にいるとされますが、日本では、本州以南の海で見ることができるといわれています。