夏を象徴する花ともいえる「ヒマワリ」は、漢字で「向日葵」と書きます。
「日に向かう」とあるように、「ヒマワリの花は、太陽の方を向く」ともいわれますが、これは、本当のことなのでしょうか。
ヒマワリの花の向き
群生している「ヒマワリの花」を一目見れば分かりますが、「全てのヒマワリ花が、同じ方向を向いている」ということはありません。
ヒマワリの花が、「北」を向いていることは、ほとんどありませんが、それぞれの花の向いている方向は、「南」「西」「東」とその方向は、バラバラです。
それぞれのヒマワリの「花の方向」をよく見てみると、確かに、太陽が照っている「南の方向」を向いている花が、比較的多いようにも見えますが、すべての花が、必ず太陽の方を向いて咲いているということはなく、「どちらかといえば、太陽の方を向いている花が多い」という程度です。
太陽の方を向くことが多いのは、ヒマワリの花だけではなく、他にも、たくさんの花があるといわれています。
ヒマワリの花は、他の花に比べて、大きくて目立つので、特に、ヒマワリだけが「太陽の方を向く花」として注目されたということのようです。
つぼみの頃には、向きを変える
ヒマワリが、「花」ではなく、花が咲く前の「つぼみ」の状態の時には、「実際に、太陽の方に向きを変える」といわれています。
日が昇る「朝」には、「東」を向いていたヒマワリの「つぼみ」は、
日が沈む「夕方」になると、「西」を向いているといいます。
これには、「オーキシン」というホルモンが関係しているとされています。
オーキシンは、日の当たる方とは反対側の細胞を成長させる働きがあるので、太陽の光を受けると、ヒマワリ全体が、日の当たる側に傾いていくといわれます。
このため、ヒマワリの「つぼみ」は、「太陽を追いかけて、向きを変えているように見える」というわけです。
しかし、このオーキシンは、開花する頃には、影響力を失ってしまうとされています。
「つぼみの頃」には、太陽を追いかけていたヒマワリも、「花が咲く頃」になると、茎も硬くなり、太陽の動きに合わせて、花が向きを変えるということはなくなるというわけです。
「太陽の方を向く」ように見えるのは、ヒマワリの「花」ではなくて「つぼみ」なので、
「ヒマワリの花は、太陽の方を向く」ではなく、「ヒマワリのつぼみは、太陽の方を向く」というのが正解のようです。